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球団が使いたくなるポスティングシステムを構築すべき。

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今晩は。ポスティングのお金が補強に使えるようにして欲しい。tthgです。

報道によるとマリーンズの佐々木朗希投手の契約がまとまったとか。今回の騒動を通じてtthg的には今のポスティング制度について色々考えさせられた。結論から言うとポスティングシステムにサラリーキャップ、自動FA、ラグジュアリータックス、ドラフト指名権譲渡を絡めて選手をメジャー移籍を許可するメリットを球団に与える方向で改革すべきであると思う。今回の主な内容は以下の通り。

1.ポスティングの問題点

2.日本のFA市場の閉鎖性を改善する自動FA

3.自動FAを導入した場合に市場に出る選手例

4.自動FAのデメリットを保管するサラリーキャップとラグジュアリータックス

5.譲渡金をサラリーキャップ外に置き球団にポスティングのメリットを

6.まとめ

1.ポスティングの問題点

まず、今回の佐々木投手の騒動を考えると「ポスティング」というシステムは非常に扱いが難しい。この制度はFAで海外移籍されると球団には何も残らないという欠点を補う趣旨で存在する。しかしながら、佐々木投手のようにあまりに早く移籍されるとメジャーの若手への契約金制限でほぼノーメリットになってしまう。ファイターズの上沢投手のようにマイナー契約で移籍される場合も同様である。また、バファローズの山本投手のように巨額のポスティング料を得られるとしても、日本の移籍市場にはFAの出物が極端に少なく、金銭を得られても補強ができるとは限らない。それ故千賀投手のポスティング要求を最後まで拒否したホークスのような球団も出てくる。さりとて、ポスティング以外ドラフト後最低9年経たないとメジャーには挑戦できない。しかも一軍登録日数によってはそれが10-11年になったりするわけで選手としてはできる限り早くポスティングしたいという要求が出てくるのである。

これだけメジャーの契約金が高くなると、今後その圧力は更に増しこの軋轢は更に増すことになる。それ故ポスティングにもう少しメリットを与えて球団が権利を行使しやすくなる環境を整えて、軋轢を回避する策を講じるべきである。

2.日本のFA市場の閉鎖性を改善する自動FA

tthgが考える現状ポスティングの一番のネックは日本のFA市場の閉鎖性故に出物が少なく、金銭を得ても補強できないことである。そこで、「自動FA」と「一軍登録日数の制限の解除」を提案したい。つまり、一軍登録日数の制限なく、高卒8年大卒・社会人7年経過で自動的に自由契約になるということである。(更に4年後毎の二度目以降のFAも同様)この狙いはポスティングで得たお金で国内FA市場で補強できるという状況を作ることである。ただし、年俸が青天井になることを防ぐためサラリーキャップとラグジュアリータックスを導入する。(サラリーキャップ、ラグジュアリータックスによる年俸抑制策については後述する。)

3.自動FAを導入した場合に市場に出る選手例

上述の制度を前提に2023年オフに高卒8年目,12年目,16年目、大卒・社会人7年目,11年目,15年目を迎えた主な選手を列挙すると以下のようになる。

バファローズソフトバンクライオンズイーグルスマリーンズファイターズ
平野 佳寿近藤 健介源田 壮亮則本 昂大澤村 拓一上沢 直之
山岡 泰輔有原 航平平井 克典酒居 知史澤田 圭佑松本 剛
近藤 大亮藤井 皓哉増田 達至西口 直人石川 慎吾伏見 寅威
黒木 優太中村 晃金子 侑司村林 一輝茶谷 健太池田 隆英
吉田 凌武田 翔太田村 伊知郎田中 和基佐々木千隼玉井 大翔
    唐川 侑己 
日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2023プロ野球オール写真選手名鑑を参照して作成
スワローズベイスターズタイガースジャイアンツカープドラゴンズ
石山 泰稚佐野 恵太大山  悠輔吉川 尚輝床田 寛樹柳 裕也
小川 泰弘宮﨑 敏郎糸原 健斗菅野 智之矢崎 拓也小笠原 慎之介
高橋 奎二濱口 遥大 中田 翔上本 崇司大野 雄大
 田中 健二朗 丸 佳浩秋山 翔吾松葉 貴大
 桑原 将志 畠 世周 高橋 周平
 三嶋 一輝 高梨 雄平 福谷 浩司
日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2023プロ野球オール写真選手名鑑を参照して作成

上記を前提にして、山本投手をポスティングしたバファローズが柳投手や床田投手を獲得できれば、完全な穴埋めとはいかないまでもある程度戦力ダウンの幅は抑えられる。山下投手や田嶋投手あたりの成長を見込んで佐野選手あたりを補強するという手も考えられる。

4.自動FAのデメリットを保管するサラリーキャップとラグジュアリータックス

ただし、年俸を無制限に出せると金銭的に余裕のある球団が根こそぎFAを持っていくことになるので、サラリーキャップとラグジュアリータックスを導入する。例えば、外国人を含め40億ぐらいでサラリーキャップを導入して、それを超えたら40億ぐらいのラグジュアリータックスを課す。5億円以上キャップを超えたら100億のタックスと当該年度ドラフト1巡目指名権はく奪とする。10億超えたら300億のタックスにドラフトの2巡目指名権もはく奪する。数字は例えだが、とにかくキャップを超える年俸を払う事を球団が躊躇するような数字に設定したい。

5.譲渡金をサラリーキャップ外に置き球団にポスティングのメリットを

そして、ここからが、肝心なのだが、ポスティングして得たお金は次年度以降サラリーキャップ外で使えるようにする。例えばポスティングで10億手に入ったら次年度サラリーキャップの40億の他に10億使えるようにする。この10憶は次年度以降にキャリーオーバーして2億×5で使っても良い。こうすることで、他のチームよりもFA市場を有利に進めることが出来る。つまり、他のチームがサラリーキャップに苦しんで手が出せない選手を獲得できる可能性が増える。山本投手のように70億超の譲渡金が手に入るなら圧倒的に有利な立場になる。それであればポスティングを積極的に使いたくなる球団も増える。

選手の側としても、山本投手クラスに活躍すれば早期にメジャーに行きやすくなる。佐々木投手の場合はメジャーの年齢制限があるので最短でプロ7年目にならないと巨額の譲渡金は得られないので少々事情が異なるが、それでも不安定な海外FAを待つよりは随分とマシである。大卒・社会人でも一気に活躍すれば早期メジャーも見える。球団も巨額の譲渡金を得られる選手なら、早期にポスティングする動機にもなる。例えば、上述の例では今季ライオンズが髙橋投手をポスティングして近藤選手を獲得するという事であれば戦略上ポスティングするとかはあり得る。この制度ならある程度選手と球団が歩み寄れるのではないだろうか。なお蛇足だが、これなら人的補償問題も解決する。補償を廃止しても市場に選手が自動的に出てくるのでFAの被獲得球団にもチャンスがあるし、サラリーキャップによりどこかの球団に獲得が偏ることもなくなるからだ。

6.まとめ

・現状のポスティングは使いにくい

・解決案として「自動FA」と「一軍登録日数の制限の解除」が有効

・ただし、それだけだとFA獲得球団が偏るのでサラリーキャップとラグジュアリータックスが必要

・その上で譲渡金をサラリーキャップ対象外とし、球団にポスティング利用のインセンティブを働かせるべき

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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