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佐々木朗希投手のポスティング要望を「単なる我儘」と決めつけるのは早計

この記事はプロモーションが含まれています。

今晩は。安易なメジャー手形に反対するtthgです。

今日は昨年末に話題になった佐々木朗希投手のポスティング希望について。本件がざわつき始めた頃から気になっていたのだが「そもそもドラフト契約時に何らかの約束を球団としていたのではないか?」という点だった。その点に関して東京スポーツが先日以下のように報じた。

「メジャー移籍に関してはササキ本人が行きたい時にいつでも行かせてもらえる〝ポスティング特約〟を取り交わし、ロッテ入団に合意したらしい」との情報まで飛び交っており

東スポWEB,2024年1月6日 05:00配信,【ロッテ】佐々木朗希〝ポスティング特約〟めぐりMLB球団が真偽確認中 吉井監督は「時期尚早」示唆もより引用,2024年1月13日最終閲覧

この報道についてtthg的にはそれなりの信憑性があると考えている。今日は「tthgが何故にこの記事に信憑性があると考えているのか」と、「この報道の正確性如何で佐々木朗希投手ポスティング希望についての評価は変わるべき」という事について書きたい。主な内容は以下の通り。

1.井口元マリーンズ監督「来オフ発言」

2.佐々木投手のマリーンズ入団直後の発言

3.重なり合う井口元監督と佐々木投手の発言から推察できること

4.佐々木投手のポスティング要望を「単なる我儘」と決めつけるのは早計

5.入団交渉でメジャー手形が交渉の材料となることについて(おまけ)

1.井口元マリーンズ監督「来オフ発言」

まず注目したいのが、Full-Countの記事。元マリーンズ監督の井口氏が以下のように語ったと報じている。

井口氏は「早ければ5年目が終わる来オフにはポスティングが認められるだろう」と話す。

FuLL-Count, 2024.01.02,朗希に求められる“通年稼働”「メジャーは甘くない」 元監督が占うロッテの2024年より引用,2024年1月13日最終閲覧

現場で指揮を務めた元指揮官が来オフと現実的な移籍の見通しを語っているのは注目すべきである。佐々木投手のマリーンズでのパフォーマンス自体は素晴らしいものでも通年で活躍した事がなく、チームへの貢献度が限定的である。また現状佐々木投手は25歳未満なのでポスティングしてもメジャーの規制で契約額が多く見込めない。チームとしてはこの段階で手放す事を検討する事は通常では考えにくい。この記事でもタイトルからもわかるように、井口氏の発言は全体的には「時期尚早」という論調なのだが、一方で「5年目」という具体的な時期に言及している。また、来季どんなに活躍してもポスティング料の事情は変わらないし、優勝や日本一なしではチームへの貢献度について球団が満足するものになるかも分からない。球団の外に出た井口氏が具体の時期を示して見通しを述べるのは若干勇み足に見える。だが、逆を言うと井口氏の中では、「5年目にマリーンズがポスティングを認める可能性」について根拠のある情報を持っているようにも見える。

2.佐々木投手のマリーンズ入団直後の発言

次に入団直後決定後の2020年1月のスポーツ報知のインタービュー記事には佐々木投手の発言として以下のように報じられている。

23歳になる5年目は、順調に成長していると想定した上で「沢村賞」(中略)「個人としては沢村賞が投手の中で一番高い賞だと思う。(中略)日本でNO1の投手となって、ロッテの優勝に貢献することを大前提とした上で、(中略)「サイ・ヤング賞」の30歳での獲得を夢見た。

スポーツ報知,2020年1月4日 6時0分配信,【ロッテ】ドラ1佐々木朗希、初勝利から結婚、メジャーまで“計画”…「令和の怪物」インタビューより引用

これを見ると佐々木投手の中で「日本でNO1」と「ロッテの優勝に貢献」をクリアした上でメジャー挑戦という青写真が入団時から描かれていたと分かる。そして「日本でNO1」については沢村賞が一つの目安であり、それについては「5年目」という明確な期限を示している。更には「サイ・ヤング賞を30歳で獲得したい」とも。これを見ると佐々木投手の中で「海外FAでメジャー」という考えはあまりなさそうである。海外FAでは最短でも27歳で権利取得で28歳シーズンからの挑戦になる。更に言えば、怪我や育成で1-2年遅れれる可能性もある。現に1-2年目の出場は限られており、すでに27歳での海外FAは無理である。30歳でサイ・ヤング賞という目標を考えるとこれでは遅すぎる。また、「海外FAでメジャー」ならば、「日本でNO1」を「5年目」で達成してもその後最低4年は日本に居続けることになる。サイ・ヤング賞を30歳で達成するためにはこの4年は随分と遠回りになってしまう。それゆえ、海外FA前にポスティングで移籍したいという希望が佐々木投手の中で入団時からあったように見受けられる。

3.重なり合う井口元監督と佐々木投手の発言から推察できること

一方で、この佐々木投手が沢村賞を取りたいと口にした「5年目」は先の井口氏が語った「来オフ」に一致するのではある。これらの発言をつなぎ合わせると、どうも関係者の間では「5年目」について一定の共通理解があるように見える。これは入団時から「5年目のオフにポスティング」というのはある程度関係者が合意していたという事ではないだろうか。合意があったとしても、冒頭に紹介した東スポの「いつでもポスティング可」ではなく、「5年を目途として一定の成果があればポスティングを認める可能性がある」ぐらいかもしれない。それが文書になっているのか口約束なのかという点も大きなファクターになる。報道を眺めていると佐々木投手のポスティング希望は突然に降ってわいた話のような印象を受けるが、上述のような要素を考慮すると「5年を目途として一定の成果があればポスティングを認める可能性がある」ぐらいのふわっとした合意が形成されていて、今回の契約更改は「来年どの程度の成果を残したら認めるのか」というのを話し合っていたのではないかとtthgは考えている。

4.佐々木投手のポスティング要望を「単なる我儘」と決めつけるのは早計

そうであるならば、佐々木投手のポスティング要望も決してたんなる我儘というわけではなくなる。少なくとも「5年目に何を成し遂げたらポスティングしてくれるのか」という点を今オフの契約更改で交渉して一定の約束を取り付けるべく努力をするぐらいの事は佐々木投手に認められるべきである。もっとも、マリーンズで成し遂げたことの少なさや、年間通じてローテを守ったことのないのないという身体の強度的な問題があるのに、安価なポスティング料で移籍させてくれというのはマリーンズファン的には受け入れ難いところという点はtthgも同意するところである。仮に東スポの「いつでもポスティング可」が真実だったとしても、もう少し所属球団のファンが納得できる形を整えてから移籍するのが対価を払って応援しているファンへの礼儀というものだろう。ただし、繰り返しになるが、入団時からの一定の合意の存在があるなら、「佐々木投手の我儘」という評価は可哀そうである。

5.入団交渉でメジャー手形が交渉の材料となることについて(おまけ)

最後に蛇足になるが、入団交渉でメジャー手形が交渉の材料となることについてtthgの私見を述べたい。日本のプロ野球は自国リーグが大半でもWBCで優勝できるレベルにある。日本プロ野球で結果を残すからいきなりメジャー契約で挑戦できるのである。そのリーグがプロで何も成し遂げていない選手に頼る必要があるのか疑問である。早期にメジャー移籍容認を入団交渉の材料にしようという選手は直接マイナーからはじめてもらえば良い。その結果マイナーの過酷な環境に放り込まれて失敗する選手が続出すればNPB経験の重要性が証明されて簡単にはメジャー挑戦が入団交渉の材料になりにくくなる。それがtthgの基本スタンスなので、安易にメジャー手形を切るのは疑問はある。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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