パリーグで「他球団の選手を目利きする力が高い」チームとは?
今晩は。意外な結果に驚くtthgです。 今日はやっと仕事が一息ついたので久々に更新します。今日はパリーグ6球団の「他球団の選手を目利きする力」について。主な内容は以下の通り。
4.際立つマリーンズの目利き力、意外なホークス・ライオンズの健闘
1.契機
近年マリーンズが他球団の選手をトレードや戦力外で他球団の選手を獲得し戦力化する例が複数見られる。例えば、坂本光士郎や岡大海選手などが例である。一方で、ライオンズは近年他球団から獲得する選手に成功例はほとんどない。こうした傾向を見ると各球団の「他球団の選手に関する目利きの力」には差があるように思われた。そこで、今回2018-2023年の間、パリーグ6球団がトレード又は戦力外を契機に獲得した選手についてその活躍度合を調べてみた。(セリーグはあまり試合を見ていないので定性的な分析ができないので今回は調査を保留した。)
2.活躍度の判定基準
活躍の基準としては、これに該当する選手で移籍後「40試合登板」「投球回100以上」「打席数300以上」のいずれかを満たすシーズンを過ごした選手の数と割合で判定した。理由としては、これらの数字を達成した選手は準レギュラー以上の扱いだった言えるからだ。防御率、勝ち星、打率、本塁打などを基準としなかったのは、トレードや戦力外から獲得した選手が準レギュラーになったという事は獲得した選手が既存の選手より上だったという意味であり、目利きとしては成功と言える。対象を「トレードと戦力外」に絞って現役ドラフトやFAの人的補償を除いたのは、これらの場合は「目利きに自信がなくても獲得する」ケースがあり得るからだ。現役ドラフトは指名順位が下であれば「獲得せざる得ない」ケースは当然ある。人的補償でも、金銭補償の魅力は少なく多少無理があっても人的補償を選ぶというケースは想定される。それ故、これらのケースは除外した。
3.結果
上記の基準で調べた結果は以下の通りである。
球団 | 40試合 登板 | 投球回 100以上 | 打席数 300以上 | 計 | 成功割合 | 移籍総数 |
ロ | 2 | 0 | 1 | 3 | 25.0% | 12 |
ソ | 1 | 0 | 0 | 1 | 20.0% | 5 |
西 | 1 | 1 | 0 | 2 | 20.0% | 10 |
日 | 2 | 1 | 0 | 3 | 15.8% | 19 |
楽 | 0 | 1 | 1 | 2 | 10.0% | 20 |
オ | 0 | 0 | 1 | 1 | 7.1% | 14 |
計 | 6 | 3 | 3 | 12 | 15.0% | 80 |
上記に該当する選手は以下である。
球団名 | 年度 | 氏名 | 契機 | 40試合 登板 | 投球回 100以上 | 打席数 300以上 |
楽 | 2020 | 涌井 秀章 | トレード | 〇 | ||
楽 | 2022 | 西川 遥輝 | 戦力外 | 〇 | ||
オ | 2019 | モヤ | トレード | 〇 | ||
日 | 2019 | 秋吉 亮 | トレード | 〇 | ||
日 | 2019 | 金子 千尋 | 戦力外 | 〇 | ||
日 | 2021 | 池田 隆英 | トレード | 〇 | ||
ソ | 2018 | 松田 遼馬 | トレード | 〇 | ||
ロ | 2018 | 岡 大海 | トレード | 〇 | ||
ロ | 2022 | 坂本 光士郎 | トレード | 〇 | ||
ロ | 2023 | 西村 天裕 | トレード | 〇 | ||
西 | 2018 | 榎田 大樹 | トレード | 〇 | ||
西 | 2018 | 小川 龍也 | トレード | 〇 |
上記の内、イーグルスの「涌井投手」「西川選手」、ファイターズの「秋吉投手」「金子選手」は元球団で主力選手で移籍前年も準レギュラー以上の存在だった。バファローズのモヤ選手は外国人枠の関係で実力以外の理由で出場機会が限られていた。これらの選手に関しては目利きが必要とは言い難い。それ故、球団の目利き力を判定するには不向きな存在である。(ライオンズ榎田投手は成績的には主力だった時期があるが、移籍後従前の中継ぎではなく先発で成功したので、目利きという点では評価できるので除かなった)これらを除いて再集計すると以下のようになる。
球団 | 40試合 登板 | 投球回 100以上 | 打席数 300以上 | 計 | 成功割合 | 移籍総数 |
ロ | 2 | 0 | 1 | 3 | 25.0% | 12 |
ソ | 1 | 0 | 0 | 1 | 20.0% | 5 |
西 | 1 | 1 | 0 | 2 | 20.0% | 10 |
日 | 1 | 0 | 0 | 1 | 5.3% | 19 |
楽 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 20 |
オ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 14 |
計 | 5 | 1 | 1 | 7 | 8.8% | 80 |
4.際立つマリーンズの目利き力、意外なホークス・ライオンズの健闘
予想していたとおり、マリーンズの目利き力は際立っていた。移籍数は12と際立って多いわけではないが、3人も準レギュラーになっている。これ以外にもシーズン途中のトレード故に非該当だったが、移籍シーズンだけで見ると主力中継ぎだった国吉投手と澤村投手、昨シーズン途中から主力中継ぎになり今年中継ぎの主力になっている澤田投手がいるのだから驚異的な成功率と言える。意外だったのがライオンズとホークス。ライオンズは2018年の小川投手と榎田投手というスマッシュヒットがあった。彼らは二人は連覇に大きく貢献した。その後は全く他球団からの獲得で成功はしていないので偶然という感もあるが、今年佐藤龍世選手が年間通じて活躍すれば成功している方である。ホークスも数が少ないので目立たないが、5選手しか獲得していないが、松田投手というヒットを飛ばしている。そもそも育成で成功しているチームだけに目利きも一定の実力があるということだろう。
5.総括
マリーンズが他球団を目利きする力が際立っているという事実は確かだが、そもそもトレードや戦力外から戦力を獲得する確率はトータルでは低い。実績値を補正する前でも15%だし、明らかに実績上位組を除くと成功率はは10%を下回る。他球団から「掘り出し物」を見つける事は簡単ではない。マリーンズのように目利きができる球団でなければトレードや戦力外からの獲得に過度な期待をするのは止めたほうが良さそうである。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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