今晩は。久々に平日更新するtthgです。
今日は練習試合見ようと思ってパテレとダゾーンを除くも中継されていなかったので、先日のバファローズに続き今年のマリーンズについてtthgの見解を述べておきたい。主な内容は以下のとおり。
1.昨年終盤戦におけるマリーンズの投手事情
まず、前提として昨年のマリーンズについて。昨年はCSファイナルステージまで行ったが、最終盤に佐々木朗希投手が万全の状態ではなく1ショートスターターでの起用しかできなかった。また勝ち頭の一人だった種市投手が終盤も怪我2でCS1stステージは不在でファイナルステージでも最終戦にショートスターターでの起用だった。それでもブルペンで―などを駆使してファイナルステージに勝ち上がったマリーンズはチームに一定の総合力を有しており、「来季佐々木投手と種市投手が年間通じて元気だったら怖い」という印象を持った。
2.データで裏付けられたtthgの印象
その上で、先日のバファローズに関する記事で紹介した2024プロ野球オール写真選手名鑑のデータを眺めていたところ、上述の懸念はより強いものとなった。具体には以下に示すマリーンズの先発投手の昨シーズンのパフォーマンスは非常に優秀である。
名前 | 投球回 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | tRA |
佐々木 朗希 | 91.0 | 7 | 4 | 1.78 | 0.99 |
種市 篤暉 | 136.2 | 10 | 7 | 3.42 | 3.02 |
西野 勇士 | 117.0 | 8 | 5 | 2.69 | 2.62 |
これを以下に示すライオンズ先発投手陣と比較するとその優秀さが浮き彫りになる。
名前 | 投球回 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | tRA |
高橋 光成 | 155.0 | 10 | 8 | 2.21 | 3.08 |
平良 海馬 | 150.0 | 11 | 7 | 2.40 | 3.20 |
隅田 知一郎 | 131.0 | 9 | 10 | 3.44 | 3.23 |
今井 達也 | 133.0 | 10 | 5 | 2.30 | 3.67 |
tRAベースでは佐々木朗希投手はライオンズの主力の1/3しか点を取られない投手である。また上述の種市投手だけでなく西野投手までライオンズで一番手の髙橋投手より上なのである。一般的には優秀と言われるライオンズの投手と比較して遜色ないどころか上回る面もあるとするとこの3投手の力は侮れない。
3.今年のマリーンズは3位からのCS進出でも脅威
もちろん上述の数字はイニング数が違うという点は注意が必要である。種市投手と西野投手は怪我による手術歴があり、成績は去年が突出しているので再現性には一定の疑問を持って考える必要もある。佐々木朗希投手が年間投げられるだけの体力が今年備わっているかも微妙である。しかしながら、この3投手を上手くマネジメントして使ってシーズン3位の成績を残してポストシーズンに来られたら相当厄介なチームである。CSではシーズンの成績以上に投手力が重要になる。主に打力が売りで2018-2019に連覇したライオンズがそれを証明している。初戦で佐々木朗希投手に完封されて2-3戦目の種市投手又は西野投手のどちらか一方が勝てば良いとなれば対抗できるチームは限られる。種市投手と西野投手に小島投手やブルペンデーを駆使して1stステージを勝ち抜かれてファイナルステージ初戦で佐々木朗希投手が出てきたら、相手がバファローズだったとしても簡単には決まらない戦いになりそうである。少なくともライオンズが去年のままの戦力だったらポストシーズンでマリーンズを相手にするのはかなり厳しい。
4.tRAの妥当性(おまけ)
ここまで書いてきて、種市投手と西野投手が髙橋投手や平良投手を上回るというtRAという数字は果たして妥当性があるのか?という疑問はある。一つ参考になるのがチーム全体のUZRの数字。上述の2024プロ野球オール写真選手名鑑によれば、ライオンズのチームのUZRは「26.93」でマリーンズのそれが「-37.44」である。これはチーム全体の守備力で、ライオンズはマリーンズより50点程多く失点を防いでいるという意味である。それを踏まえると概ねライオンズの先発投手陣は防御率に比べてtRAの数値が高く、マリーンズ先発の数字がその逆になっている昨年の成績に関しては一定の妥当性があるように思われる。(ライオンズの投手の防御率は守備の助けによる部分が大きく、マリーンズの投手は防御率で守備に足を引っ張られていると理解できる。)
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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- スポーツ報知が昨年(2023年)9月24日に、吉井監督が佐々木朗希投手の予告先発登板回避について、「トレーナーからの報告では発熱ということを聞いています」(スポーツ報知,2023年9月24日 15時40分,【ロッテ】佐々木朗希が先発回避 特例2023での抹消に吉井理人監督「発熱と聞いています」より引用,2024年2月28日最終閲覧)と語ったと報じている。 ↩︎
- NHKがオンラインで昨年(2023年)9月30日に「ここまでチームトップの10勝をあげている種市篤暉投手が右ひじの炎症のため30日、1軍の選手登録を抹消されました。」(NHK,NEWSWEB,2023年9月30日 17時28分,ロッテ 種市篤暉 右ひじ炎症で1軍登録抹消 CS進出争いに痛手より引用2024年2月28日最終閲覧)と報じている。 ↩︎
- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集2024,プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P190より引用 ↩︎
- 同上P134より引用 ↩︎