「和田投手よりも甲斐野投手」という判断も理解はできる。ただし甲斐野投手にも不安はある。

今晩は。人的補償に悩むtthgです。

今日は随分と山川選手の人的補償で一騒動あった件について。平日の更新はしない予定だったがあまりに騒動が大きったので急遽更新する事にした。内容は以下の通り。

1.ライオンズが和田投手を指名すべきだった理由

2.和田投手の不安材料

3.甲斐野投手の怪我への不安

4.人的補償の獲得に際してメディカルチェックで問題があったら指名のやり直しができるようにしてほしい。

1.ライオンズが和田投手を指名すべき理由

まず、本件についてtthgは、基本的に和田投手がプロテクト漏れしていたのならライオンズは指名すべきだったという立場である。まず第一に和田投手が去年並みの成績を残せれば十分戦力になるという事である。NPB公式ページによると昨年の和田投手の成績は以下の通りである。

21登板、8勝6敗、投球回100、防御率3.24

NPB公式,個人年度別成績「和田 毅」のページより引用(2024年1月13日最終閲覧)

これだけ投げられれば先発ローテの5-6番手なら十分任せられる。そうなれば、先発が豊富で中継ぎが不安なライオンズであれば、松本投手当たりを後ろに回すという選択肢が考えられる。

また、今回はいわくつき物件の山川選手の補償故「誰が補償として放出されるのか」という点がファンの間でもネットで色々言われている案件である。そこでメジャー以外はホークス一筋のレジェンドを出したとなったらホークスへのファンの信頼はがた落ちである。結局実現しなかったがスポーツ紙で名前が出ただけでひと騒動であった。騒ぎが大きくなれば成る程山川選手への重圧は増して成績を残せない可能性も高くなる。和田投手の指名はライオンズの戦力をアップさせるだけでなく、ホークスの弱体化を引き起こせる可能性がある。ライオンズ的には一度で二度おいしい指名だった。

ホークスの弱体化については、単純に精神的なプレッシャーをかけるだけでなく、ホークスの「戦力そのものを削ぐ」という側面もある。東浜投手、石川投手、武田投手といった中堅・ベテランが最近停滞気味で千賀投手も抜けたホークス投手陣の中では和田投手は主力級の先発である。ライオンズでは現状5-6番手でもホークス的には開幕投手すらあり得る戦力であり、それが一枚抜ける穴は大きい。下手をすると一度で三度おいしいすらあった。

2.和田投手の不安材料

とはいえ、和田投手指名にも難点はいくつかある。まずは年齢。来月で43歳と中村選手と栗山選手より年上であり、一気に崖が来てもおかしくない年齢である。FA出戻りリスクや年齢的に活躍できても1年だけの可能性については、どのみち髙橋投手や平良投手のポスティング次第で大きくチーム構成が変わってしまう現状では「数年先よりも来季の優勝を優先したんだ」と思って見逃すとしても、来季全く活躍できませんでしたという結末では流石に旨味が少ない。

もう一つは、モチベーションの問題である。和田投手の心情がどうなるかというのは実現しないと分からないところだが、その立場と年齢を考えれば「人的補償で移籍」という事実を素直に受け入れられない可能性は十分にある。「俺を捨てたホークスを見返してやる」になるのか「もう十分稼いだし引退するか」となるかは五分五分である。後者になるなら騒げるだけ騒いで、ホークス内に不穏な空気を充満させつつ、肩透かしで甲斐野投手頂いたという今回のライオンズフロントの立ち回りは、往年の「球界の寝業師」を見ているかのごとく随分と手の込んだ戦略だったと言えよう。(決してお行儀のよい話ではないが、タンパリング疑惑のある本件でそれぐらいやっても咎められる話ではなかろう。)

3.甲斐野投手の怪我への不安

ただし、問題は甲斐野投手がいかほどやれるのかという点である。甲斐野投手の数字だけを見ると良いのだが、終盤戦やCSでは大事な場面を任されていなかった。凡そその時期のホークスの中継ぎは大津投手、松本投手、藤井投手が主戦で、抑えがオスナ投手という陣容だった。春先はモイネロ投手がいたが、怪我で不在となったので藤井投手を中継ぎに再転向させており、そこに甲斐野投手が食い込めなかった。それを考えると現場では数字に現れない不安要素があるのでは?とい疑念がわく。

もう一つは怪我。甲斐野投手については右ひじの手術歴があり、靭帯損傷によるPRP療法による治療歴もある。今は問題ないということもあろうが、2021年に故障から復活しかけていた岩嵜投手が又吉投手の人的補償で移籍した直後の2022年に再度怪我で離脱し最終的にトミージョン手術に至ったという事例がある。当時又吉投手の代わりに岩嵜投手では「FAなのに実質トレード」みたいなものだと思っていたが、直後の岩嵜投手の怪我を見るとホークスが岩嵜の投手の肘に不安があったのでプロテクト漏れしたのではないか?という疑念がわく。昨年の田中投手とは違い同じドラ1でも実績のある甲斐野投手がプロテクト漏れしたならば、過去の怪我の影響がもあるからと考えると納得がいく。上述のように使われ方も主力の中継ぎでなかったあたりも、肘の様子を見ながら休み休み使っていたからとも理解できる。仮に甲斐野投手が全盛期の力を取り戻せれば抑え候補ですらあるのだが、怪我の懸念は付きまとうというのが正直な感想である。

4.人的補償の獲得に際してメディカルチェックで問題があったら指名のやり直しができるようにしてほしい。

昨年もライオンズはバファローズから張投手を獲得したが、怪我で成績を残せなかった。正直、こちらもバファローズは怪我の兆候ぐらいは把握していてもおかしくない。少なくとも時系列的には上述の岩嵜投手の例も含め怪しい。人的補償のリストだけでは当然「故障の兆候がありますよ」などとは書かれていないわけで、この点については獲得側が圧倒的に不利である。選手の夜の街でのご活躍については外部からでもある程度分かるとしても、怪我については外部からは情報を取ることは難しい。せめて獲得側でメディカルチェックをして問題があったら指名のやり直しをできる制度のして欲しい。そうでないと、移籍直後に怪我をされると獲得側としては納得できない。獲得側のメディカルチェックでは恣意的な運用が行われるということであれば、獲得球団の指名後NPBでメディカルチェックを行い問題がない事を確認してから最終決定という事にしてほしい。

なお、メディカルチェックによる指名のやり直しについては選手会のHPに掲載されているフリーエージェント規約には何も記載がない。また、プロテクトリストが非開示である以上、獲得球団が指名前にメディカルチェックを行うことは事実上不可能であり、現時点でメディカルチェックで異常のない選手を獲得する手段はないと思われる。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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