今のライオンズはキャンプで守備練習をしている場合ではない。
おはようございます。tthgです。 今日は現状のライオンズの明確な課題である「得点力不足」解消のために現場が本気で取り組んでいるように見えないことについて。主な内容は以下の通り。
1.2024年の深刻な得点力不足
2.ホームランの減少が致命的な得点力不足を招いた
3.現状は外国人頼み
4.キャンプの方針は根本的に変えるべきでは?
5.総括:ライオンズは「打撃全振り」の決断が必要
1.2024年の深刻な得点力不足
2024年のライオンズの課題は誰が見ても明らかだ。それは「得点力不足」、である。2022年、ライオンズの総得点は464点で、優勝したバファローズとの差はわずか26点で、得点リーグ1位のホークスとの差も91点だった。この年ライオンズは最終盤まで優勝を争っており、この程度の得点差であれば、投手陣の頑張り次第では十分に優勝争いが可能である。しかし、2024年の総得点は350点に激減し、優勝したソフトバンクとの差は257点にも及ぶ。ここまでの差がついては「投手力で勝つ」ことは事実上不可能である。
2.ホームランの減少が致命的な得点力不足を招いた
たった2年でここまでの差が生じたのはなぜなのか。結論から言えば、それはホームランの激減が原因である。2022年のチーム出塁率は.298、2024年は.274である。しかし、OPSで見ると2022年は.655、2024年は.575。その差は8分近くあり、これは出塁率以上に長打力が落ちていることを示している。チームのホームラン数では、2022年118本、2024年60本とほぼ半減している。この数字だけでも、なぜ得点力がこれほど落ち込んだのかが理解できる。そして、さらに詳細に見ていくと、このホームラン減少の主因は個人レベルで明確に浮かび上がる。2022年のチームホームランランキングを見ると、1位が山川選手で41本2位がオグレディで15本でこの2人で56本を記録している。対して2024年は二桁本塁打を打った選手はいない。2024年のチーム全体のホームラン数が60本であることを考えれば、彼ら2人の分が丸ごと消えたことが、チーム全体の長打力を激減させ、チーム総得点を100点以上低下させた主因であることは明らかだ。
2022 | 西武 | 部門 リーグ 1位 | 部門 リーグ1位との差 | 優勝 チーム | 優勝 チーム との差 |
得点 | 464 | 555(ソ) | -91 | 490(オ) | -26 |
出塁率 | 0.298 | 0.325(楽) | -0.027 | 0.317(オ) | -0.019 |
OPS | 0.655 | 0.697(ソ) | -0.042 | 0.678(オ) | -0.023 |
本塁打 | 118 | 118(西) | 0 | 89(オ) | 29 |
2024 | 西武 | 部門 リーグ 1位 | 部門 リーグ1位との差 | 優勝 チーム | 優勝 チーム との差 |
得点 | 350 | 607(ソ) | -257 | 607(ソ) | -257 |
出塁率 | 0.274 | 0.327(ソ) | -0.053 | 0.327(ソ) | -0.053 |
OPS | 0.575 | 0.721(ソ) | -0.146 | 0.721(ソ) | -0.146 |
本塁打 | 60 | 114(ソ) | -54 | 114(ソ) | -54 |
3.現状は外国人頼み
では、現状のライオンズにはこの問題を解決する策があるのか?正直なところ、明確な答えはない。外国人補強としてネビンやセデーニョといった選手が加入したが、セデーニョ選手の去年のホームランは15本。ネビン選手は未知数である。セデーニョ選手が昨年並みのホームラン数だったと仮定するとネビン選手にホームラン王級の活躍をしてもらわないと2022年との差は埋まらない。昨年もコルデロ選手やアギラー選手に注目が集まったが結果は散々だった。このことは外国人頼みで長打不足を解決しようとする手法のリスクの高さを示している。そんな中、鳥越ヘッドコーチがメディアで「チーム本塁打数を増やすことは、外国人選手が打たない限り無理」1と発言したことが報じられたが、日本人の大砲を育てるという計画すらないのでは、あまりに心許ない。
4.キャンプの方針は根本的に変えるべきでは?
一方で、ここまで明確にホームラン不足が最大の課題であるにもかかわらず、キャンプの練習メニューを見る限り、「従来と変わらない練習」が行われているように見える。だが、去年と大差ないメンバーでやるのに同じことをやっていては、課題が解決される可能性は低い。今のライオンズに求められるのは「従来と同じ練習を繰り返すこと」ではなく、多少極端でも打撃特化、しかも単打ではなく長打(本塁打)増を目的とした練習を行うことではないか。
例えば、
- 練習時間の8割を打撃に割く
- 守備・走塁練習は必要最小限にとどめる
- 打球を飛ばす技術にフォーカスした練習を徹底する
もちろん、この方針にはリスクがある。守備力の低下や総合的なチームバランスの崩壊という懸念もある。しかし、これだけ致命的にホームラン不足のチームで去年から大した補強もしないで戦う以上多少リスクを負ってでもやり方を変えるべきである。また、「本塁打を打つには才能が必要」、「本塁打を打つコツを教えられる人材がいない」というツッコミはごもっともだが、去年とたいして変わらない戦力で、去年とやり方も変えずに戦って座して死を待つぐらいなら、せめてやり方をドラスティックに変えて欲しい。それでダメなら多少なりとも納得感が増す。
5.総括:ライオンズは「打撃全振り」の決断が必要
2024年のライオンズにとって、最大の課題は得点力不足であり、その根本的な原因はホームランの減少である。そして、その解決策として、外国人に依存するのではなく、チーム全体で長打力を強化することが必要不可欠だ。「守備や走塁とのバランスを考えながら…」という中途半端な取り組みではなく、思い切って「打撃に全振りする」という大胆な決断が求められる。それでもダメなら仕方ない。しかし、何もせずに負けるより、リスクを取って解決に乗り出すべきである。
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- Full-Count,2025年2月5日,西武に注入された“外の血” 求められる鬼の一面と手腕…黄金期とは「現状かけ離れている」より引用 ↩︎