FA移籍をファンの感情抜きで語る事こそ「感情論」
今晩は。感情的な人tthgです。
そろそろFAの話になるとブログのネタを提供頂ける事を有り難く思うことにするか。今度は元巨人の上原氏。
宣言したら裏切り者はおかしいらしい。色々突っ込み所満載なのだが、そもそも宣言=裏切り者と呼ばれるわけではない。この手の話が盛り上がってるライオンズのFAは楽天案件に幅集約されている。試しに上原氏は巨人関係者の炭谷選手、野上投手、清原氏、工藤監督当たりに話を聞いてみたら良い。ライオンズファンからどれだけ裏切り者と呼ばれたか。勿論皆無ではないだろうが、楽天案件に比べたら比較にならないぐらい少ない筈だ。FAで裏切り者として強烈な批判が発生するのはタンバリング疑惑を含む経緯がファンに対する誠意を欠いている時に起こる。決して宣言したという事実だけを理由として裏切り者とは呼ばれない。
上原氏は「日本的な情が交錯」する事が悪いと思っているらしいが、野球というビジネスは「情の塊で成り立っている」という事を理解していない。上原氏は一般人のビジネスにおける転職と比較しているが、これは全く性質の違うビジネスを同じ土俵に上げた暴論である。例えばAppleの技術者がGoogleやSONYに転職しようが、iPhoneユーザーが嘆く事はない。一部の技術者が転職しようがiPhoneの何かが変わるわけではないからだ。超のつくiPhoneマニアなら「〇〇さんが抜けたらカメラの〜という機能が今後アンドロイドに劣るようになる」とかあるのかもしれないが、普通の人からみたら特定の個人の転職がエンドユーザーに影響を及ぼす事はない。
しかし、野球は1人の選手の移籍によってチームは大きく変わる。特にそれが推しの選手だった場合のファンの失望は計り知れない。そういうファンの「感情」が野球というビジネスの根幹である。ファンは何らかのキッカケで特定のチームや個人を感情移入してのめり込む。それゆえにチームにお金を落として、それが選手の給料に反映される。そもそも野球は「ファンの感情移入」なしに成り立たない。そして感情移入したファンは引退まで選手がチームに残ってくれる事を期待する。その期待を「裏切る」ならばある程度罵声を浴びるのも仕方ない。それが期待された結果多額の金銭を手にする事の代償だ。少なくともファンがあっさり諦めて文句も言わないならその選手が期待されていないか、移籍にそれ相応の理由がある時である。
「イヤイヤそんな期待勝手にしないで」というのが現場の意見なのかもしれない。勿論、ファンは選手やチームを勝手に好きになったという側面はある。しかし、それを選手側が求めているという事も事実である。ヒーローインタビューで「ファンにひと言」と言われれば「ファンのおかげで勝てました、応援よろしくお願いします。」と毎回言う。一生懸命応援していたファンがそう言われればより一層応援しようと思う。そしてより強く感情移入したファンが選手に「移籍しないで欲しい」と期待をするのは当たり前の話である。選手の方が期待を煽っておきながら「期待されても困る」はナンセンスである。少なくともそのファンのお金で多額の給料を得てきた選手がそれを言うのは勘違いも甚だしい。
tthgはファンと選手の関係は恋人みたいなものだと思っている。ファンは選手に良いプレーを望み、選手はファンに応援してもらいたいと思う。そういう相思相愛の関係が一夜にして崩れ去るのがFAだ。恋人関係で言えば突然別れを切り出すという事だ。別れ方を誤れば恨まれる。少なくとも「9億円くれる楽天カードマン君の方が良いの〜」とか言って別れたら恨まれても仕方あるまい。本心はお金なのにウソついて「〇〇君の事がどうしても忘れられないのでごめんなさい」とか言ったらそりゃ罵声の一つも浴びるというものだ。反対に明らかに放置していた彼女から「あなたに私は必要なの?」と言われたら納得するするしかない時もあろう。一方的に好きになって拝み倒して付き合ってはみたもののヤッパリ無理だったとかも「裏切り者」とかにはならにくい。
ファンと選手の関係はこうした恋人関係と類似の感情の上に成り立っている。そう考えればFA移籍について「感情的になるな」という批判は的外れである事が明らかだ。感情を無視したFA論こそ野球というビジネスの本質について無知ゆえ出てくる「感情丸出しが嫌い」という感情論である。
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— tthg1994 (@tthg1994) December 3, 2020