おはようございます。開幕に向けて不安の募るtthgです。
今日は2024年のライオンズについて。主な内容は以下の通り。
5.見かけほど信頼できない先発投手と弱体化した守備を補ってあまりある打撃ができるのかは大いに不安
1.昨年のライオンズは「先発投手が長所」とは言い切れない。
まず、ライオンズについて抑えておきたいのは「データからは先発投手が長所とは言えない。」という事実である。2024プロ野球オール写真選手名鑑によればライオンズのtRAベースのRSAAは「-20.01」。これは先発投手がリーグ平均より20点多く失点する能力であるという意味である。2024プロ野球オール写真選手名鑑はRSAAの基準に実際の失点率ではなくtRAを採用しているので実際に20点多く失点したという意味ではなく、奪三振率や与四死球率、被本塁打など「純粋に投手の責任範囲に限定された」先発投手の能力値を合算するとリーグ平均より劣るという意味である。
流石にこの数字が全てというのは極端だとは思う。高橋投手や平良投手、今井投手などの実際の試合でのパフォーマンスを見れば、簡単に遠くに飛ばせる球でないことは明らかである。だが、この数字をもう少し細かく見ると、tRAの計算の元になる数字の一つである与四球率に特徴がある。2024プロ野球オール写真選手名鑑によれば先発で100回以上投げた投手の与四球率ワーストランキングで今井投手が4.13で2位2、松本投手が3.70で3位3、平良投手が3.30で5位4である。また高橋投手も与四球率は「2.735」であり、1点台で推移するリーグ上位レベルとは差があった。無駄な四球でピンチを作ってそこからギアを上げて切り抜けるも球数を浪費するというシーンは中継を見ていても散見され光景であり、これが数字に現れているという意味では、RSAA「-20.0」も全くの的外れとは言い難い。
2.昨年投手力を補った守備力は低下する懸念あり。
ただし、上述の点はライオンズの守備力を考慮すると随分違った光景見えてくる。ライオンズのチーム全体のUZRは「26.96」でリーグ「1位7」である。この数字は守備においてリーグ平均より「26.9」点分多く失点を防いだという意味であり、上述のRSAAの「-20」点分を補って余りある数字である。去年のライオンズは守備が良かったので前に飛んだ球でも他球団に比べてアウトになる率が高かった。それ故トータルの失点がtRAベースの計算より低くなることはある意味必然だった。だが、昨年UZRで大きく貢献したマキノン選手と愛斗選手の放出は痛い。マキノン選手は一塁手で「6.68」愛斗選手はライトで「5.09」と二人で11.6という非常に大きなプラスを叩き出していた。単純計算で+26.9の約4割に相当する11.6のマイナスは痛い。そして今年はコルデロ選手が守るレフトは大幅マイナスになるおそれがあり、守備力でカバーすることも難しくなることが予想される。
3.先発投手では隅田投手が「エースにになれるか」がポイント
上記を前提に今年のチームだが、まず先発投手について。去年から大きく違うのは髙橋投手が開幕不在でどこまであてにできるのか不安という点である。仮に高橋投手が去年並みにできるなら、隅田投手の覚醒と武内投手の加入、ボー投手の先発転向でトータル+になりそうである。個人的には隅田投手が与四球率と奪三振でリーグトップクラスの数字を出し「真のエースになれるか」が一番のキーポイントで、次点では平良投手が先発転向2年目の慣れによる改善できるのかだと思っている。彼らの内どちらか一方でエースになれたら、大幅+である。なお、今井投手や髙橋投手はすでに何年も実績のある投手でここから飛躍的な制球の改善があるとは考えにくい。
4.中継ぎの新戦力は魅力だが、不確定要素も大きい
中継ぎでは、アブレイユ投手、甲斐野投手、ヤン投手の新戦力がそこそこやれそうである。また、本田投手が絶好調でかなり期待が持てる。水上投手も去年よりはできそうである。増田投手と平井投手は横ばいから少し上々ぐらいに見える。一方で昨年終盤良かった豆田投手や田村投手が失速気味でそこはマイナスになる。また青山投手は先発転向なのでそこも考慮しないといけない。トータルとしては去年よりは頭数はいる。ただ、絶対的な存在がいるかというと微妙である。甲斐野投手はある程度やってくれるとは思うが、移籍後初めて中1で投げた昨日打ち込まれた点が気になる。怪我歴があるだけに回復に時間がかかる可能性がある。クローザーとしては経験値が薄いのも難点だ。アブレイユ投手とヤン投手は時折出てくる制球難。彼等3人についてはまだ評価は確立していないというのがtthgの見解である。
5.見かけほど信頼できない先発投手と弱体化した守備を補ってあまりある打撃ができるのかは大いに不安
打線については、アギラー選手とコルデロ選手次第である。アギラー選手については率は残せそうだが長距離砲としては期待薄で中距離のクラッチヒッターになれるかどうかだと思う。コルデロ選手についてはとにかく確率を上げる事。上述のとおり守備でもマイナスはこのチームに致命傷になる可能性があるだけに、最低でも打率:230、本塁打:45、OPS:950ぐらい打って貰わないと起用を躊躇う。サードでブランドン選手がそこそこやれそうなのと金子選手が好調なのがプラスだが、二人ともシーズン通してできるのかは未知数である。彼等よりも昨シーズン後半から安定的に打撃が良い古賀選手の方が年間通しての活躍が見込みやすいぐらいである。逆に実績組の源田選手が絶不調という現実もある。打撃の調子に波はあるタイプだが、正直心配にはなる。なにより、見かけほど信頼できない先発投手と弱体化した守備を補ってあまりある打撃ができるのかは大いに不安である。
6.総括
昨年長所だった守備は確実にマイナスになる。そこから投手力と打力でそれを補って余りを出さなければ上昇できない。色々上昇の様相はあるが、確たる上昇の根拠は見いだせない。「タラれば」が悉くよい方向に向いた際には昨季より戦力上昇できるが、CS争い以上の結果を望むのは今のところ難しいと考えるのが妥当である。。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2024プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P190より引用 ↩︎
- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2024プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P226参照 ↩︎
- 同上 ↩︎
- 同上 ↩︎
- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2024プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P192より引用 ↩︎
- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2024プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P190より引用 ↩︎
- 同上 ↩︎
- 日本スポーツ企画出版社,Slugger特別編集,2024プロ野球オール写真選手名鑑,2024,P235より引用 ↩︎
- 同上 ↩︎