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金子侑司選手が現役引退を発表した。今日は、2018年と2019年のライオンズの連覇において、金子選手が「キーマンだったこと」について振り返りたい。主な内容は以下のとおり。
1.2018年・2019年のライオンズは「守備力の高い」チームだった
2.ポジション別のUZRに見る金子選手の守備貢献
3.代えの効かない選手としての存在感
4.守備力が投手力を補ったチーム
5.惜しまれ打撃での課題
6.最後の感謝と引退試合への思い
1.2018年・2019年のライオンズは「守備力の高い」チームだった
2018年と2019年の西武ライオンズは「打撃のチーム」として知られていた。強力な打線を武器にし、相手投手を圧倒するスタイルで勝ち続けたチームとして認識されていたのである。しかし、その一方で投手陣の不安定さが目立つゆえに「守備力」については過小評価されがちである。
実際には守備力はチームにとって非常に大きな武器であった。守備指標の一つであるUZR(Ultimate Zone Rating)を見れば、その事実は明らかである。2018年の西武ライオンズのチームUZRは46.6、2019年は21.6と、両年ともにリーグ1位という結果を残している(参照:2019プロ野球オール写真選手名鑑、2020プロ野球オール写真選手名鑑)。これは、投手陣の弱さを補うための「守備力」が、チームの成功に重要な役割を果たしていたことを示している。
年 | チーム 得失点差 | チーム UZR | 遊撃 UZR | 左翼 UZR | 左翼 UZR (金子) |
2018 | 139 | 46.6 | 32.9 | 16 | 13.2 |
2019 | 17.4 | 21.6 | 16 | 19.4 | 17.4 |
2.ポジション別のUZRに見る金子選手の守備貢献
さらに、ポジション別のUZRを見てみると、特にレフトとショートの守備が大きくプラスに寄与していることがわかる。2018年と2019年の両年、金子侑司選手はレフトを守り、その貢献度は2018年に13.2、2019年には17.4という高い数字を記録している。金子選手の守備力は、まさにチームにとって欠かせないものであり、得点を防ぐ上で非常に大きな役割を果たしていたのである。
西武ライオンズの2018年の得失点差は+139、2019年は+61であった。これを考慮すると、金子選手が守備面でチームに与えた貢献度は非常に大きかったことがわかる。打撃が中心に見られがちなライオンズにおいて、守備がいかに重要であったか、そしてその守備力を支えた金子選手の存在がいかに重要であったかを改めて感じることができる。
3.代えの効かない選手としての存在感
2018年と2019年の西武ライオンズは、打撃面では一定のやりくりが可能であった。例えば、2018年には中村剛也選手、2019年には山川穂高選手がシーズン中に不調に陥った時期があった。また、2019年には浅村選手がFAでイーグルスに移籍し、打線に不安が生じた。しかし、他の選手たちがカバーすることで、チームは打撃面での弱点を補うことができたのである。
一方で、守備については、ショートを守る源田壮亮選手とレフトの金子侑司選手は、「代えの効かない」選手だった。源田選手は「所沢遊撃隊」後に登場したため「代えが効かない」という認識が強くあったが、実は金子選手も同様に「代えの効かない」存在であったのだ。彼ら二人が揃ってチームの守備力をリーグトップに引き上げたことは、チームの成功に欠かせない要素であった。
4.守備力が投手力を補ったチーム
西武ライオンズは2018年と2019年、投手陣が安定せず、多くの試合で投手力が課題とされていた。しかし、その弱点を補ったのが守備力であった。守備力で投手陣をカバーし、試合を勝ち抜くことができたのは、金子侑司選手と源田壮亮選手の存在があったからである。特に金子選手は、外野の広い守備範囲で、数多くのピンチを未然に防いだ。彼の守備がなければ、チームの連覇は成し遂げられなかったと言っても過言ではない。
5.惜しまれ打撃での課題
金子侑司選手の守備面での貢献度は非常に高かったものの、打撃においては安定した成績を残すことができず、絶対的なレギュラーとしての地位を確立することはできなかった。もしもう少し打撃成績を向上させることができていたなら、彼は「レジェンド級」の選手として名を残す存在になっていただろう。この点については、ファンとしても非常に惜しまれる部分である。それでも、金子選手の連覇への貢献は非常に高く、彼の存在なしには2018年と2019年の西武ライオンズの成功を語ることはできない。彼はまさに「キーマン」として、チームを支え続けたのである。
6.最後の感謝と引退試合への思い
金子侑司選手の引退に大きな喪失感を覚えるが、彼がライオンズのユニフォームを最後まで着続けてくれたことには、主力が抜け続けるチームのファンとして感謝している。奇遇にも久々にベルーナドームに訪れる日に金子選手の引退試合が組まれており、最後の雄姿を見届けたいと思う。今一度、金子選手の連覇を支えた功績を讃えるとともに、お疲れ様でしたと言いたい。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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