渡辺GM体制で流出の潮目は変わったがそれは万能薬ではない。

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今日は。心配性のtthgです。

去就が危ぶまれていたギャレット投手の再契約が発表された。実に喜ばしいニュースである。


昨年の金子選手や十亀投手、今年の増田投手など渡辺GM体制になってからの去就が危ぶまれていた選手の残留率は高い。先日の野上投手のFAに関する記事を書いた際にtwitterでsinndarさんからもご指摘を頂いたが、野上投手のFA時の報道では、実質的な渡辺GMの前任者である鈴木本部長の振る舞いは決して褒められたものではなかった。

鈴木本部長に「どうぞ」発言に関する報道について見解をお聞きしたい


渡辺GM体制への移行後はすくなくともこういう問題は報じられない。また、上記の通り残留率も高い。渡辺GMへの転換は流出対策に置いて大きなインパクトを持っていると推測される。




一方で、これですべて解決言えるのかと言えば、それは必ずしもそうではないとtthgは考えている。事実増田投手は昨年複数年を断り、今年もFA宣言期間ギリギリまで結論が出ずファンをヤキモキした。ギャレット投手も一度は自由契約になっており、他球団移籍の可能性はあった。ギャレット投手は家族の傍でプレーしたいという希望があったようだが、日本に来る前マイナーだったギャレット投手にとってコロナの影響で今年マイナーの試合がなかったアメリカで就職活動が簡単ではないはずだ。そいう状況が影響した可能性もあり、「ライオンズが良いから」という理由だけで契約に至ったと断言するのは難しい。そもそもそれで決断できるなら自由契約にならずに契約に至ったはずだ。

GMの存在は大きいわけだが、それだけで組織がまるっきり別物なるかと言えばそんな簡単なものではない。そもそも、ある特定の個人がいるというだけで変わった組織はその個人がいなくなればもろくも崩れ去る。本当に大事な事はGMのイズムみたいなものが組織全体にしっかり生きわたってその遺産が組織として引き継がれていくようなチームの文化になっていかなくては行けない。そういう無形の財産を形成するにはまだ時間が足りない。現状としては渡辺GMの人望である程度の流出防止が実現しているが、根本的なチーム文化の変革にまでは至っていないという所ではないだろうか。だからコロナという特殊な状況でギャレット投手や増田投手をギリギリのところで残留を実現できたとtthgは考えている。

また、どんなにチームの文化が形成されても純粋にお金を出せないとか、設備面などのハード面でホークスやイーグルスに大負けしていては完全に流出は防げない。億の単位で倍の給料が出るという場合にはチーム文化だけで難しい。口には出さなくとも「お金が第一」という信条の選手だって一定程度いる。設備面での不足を嘆く選手やアメリカ行きを望む者もいる。それらを全て渡辺GMで解決できるものではない。

どうしたって経営改革でお金を稼いで対抗しなくてはいけない場面はある。メジャー思考の選手の引き留めには完全には防げないのでそれに代わる育成なり外国人の補強はは必要である。時にはFAで買い手に回る場面もなければ持続的に強いチームにはなりえない。渡辺GMの功績というのは大きいが一方でそれにすべてを任せて根本的な経営体制の見直しを怠るようでは未来は暗い。むしろGMの存在で止血できているうちに未来を切り開く改革を実施して行くべきだ。それはコロナを乗り切るという課題とは別に念頭に置いて戦略を練る必要がある。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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