今晩は。首の痛みで更新が滞ったtthgです。
今日はtthgの日常のちょっとした出来事から感じたプロ野球選手の怪我の扱いの難しさについて書いてみたい。主な内容な以下の通り。
6.どこまで痛みを我慢するのかという問題はプロ野球選手にとって難題
1.思いのほか深刻だった肩コリ
先日娘が首に痛みがあると訴えており整形外科を受診した。その際「ストレートネック」が原因で首痛を引き起こしていると診断された。このストレートネックは遺伝が主であり、tthgにもその可能性があると娘に付き添った妻から聞かされたので受診する運びになった。余談だが、ネットで「スマホ利用が増えてストレートネックが~」という記事をよく見かけるが、今回の受診で医師の話を聞く限り「スマホ利用でストレートネックになる」ではなく「遺伝的にストレートネックの人に取ってスマホを利用する姿勢が首に負担をかけやすい。」という事のようだ。さて、受診した結果tthg自身もストレートネックだった。それ故首に長期に渡り負担がかかり首の骨の空間が圧迫されていて、首から肩にかけて筋肉が強い緊張状態にあるとのことだった。俗に言う「肩こり」だが、かなり酷い状況でこのまま行くと手や指の痺れが起こり、指先を使う細かい作業をする事ができなくなると警告を受けた。
2.放置した結果進行した症状
tthgも長年肩コリがあるという事は自覚していた。ただ、一日中PCとにらめっこしている事務職としては職業病のようなもので、この程度で何か対処する必要はないと考えていた。また、肩の痛み自体は日常に支障が起こるほどではなく、我慢できる範囲内だった。それ故放置していたのだが、それが深刻な事態の一歩手前まで進行していた。肩コリだからと侮ったツケは大きかった。
3.プロ野球選手が「怪我」を押して出場するリスク
上述のようにtthgの首は「大したことない」と自己判断した結果深刻な状態に進行していたわけだが、プロ野球選手の怪我というのも似たような面があるように思う。例えば、晩年怪我で苦しんだ松坂氏がNumberWebに掲載された再生医療事業を展開するセルソース株式会社社長の裙本理人さんとの対談記事で下記のように発言している。
自分が休んでいる間に力を伸ばしてくる選手もいるでしょうし、やっぱりそのポジションは渡したくないと考えると、ぎりぎりまで我慢しちゃうんです。
NumberWeb,2021/11/30 11:0掲載,41歳松坂大輔が明かす“10年前、手術を決意した日”「イチローさんに怒られた…『バッピみたいな球投げてんじゃねーよ』って」より引用,2023年12月28日最終閲覧
tthgのような事務職だって多少肩コリがするという程度で整形外科に行って仕事を休んでいたら、仕事が回らない。だが、実際はそれを実行した結果深刻な首の問題が発生するところだった。プロ野球選手も多少痛いからと休んでいたら職を失う。しかし、プロ野球選手も我慢できる範囲を我慢した結果深刻な結果を招くことがある。そう考えると「怪我(ないし痛み)を押して出場する」という事のリスクを考えなくてはならない。
4.一つの解決案としての再生医療
上述のNumberWebのインタビュー記事は連載記事で松坂大輔「8~9割のプロ野球選手は“不具合”を抱えている」ケガに泣かされてきたからこそ訴える「体のメンテナンスにはお金をかけて」という記事が掲載されている。この記事の最終的な結論部分では怪我の早期治療に役立つ「再生医療」という解決案が提示されている。松坂氏は本記事において以下のように発言している。
再生医療を利用すれば、シーズン中に血液を採取して保存し、シーズンオフに違和感がある個所や痛い個所に治療できるじゃないですか。そういうサイクルが選手の考えに根付くといいなあ。
NumberWeb,2021/11/30 11:06掲載,松坂大輔「8~9割のプロ野球選手は“不具合”を抱えている」ケガに泣かされてきたからこそ訴える「体のメンテナンスにはお金をかけて」より引用,2023年12月28日最終閲覧
再生医療によって予防的に解決できるなら、それが一番良い。
5.再生医療の限界
もちろんこうした技術を活用して予防的に対処するという方法もあろう。ただし、こうした治療は多額の費用がかかるので駆け出しの若手が簡単に手を出しにくい。それ故球団のサポートが必要という問題もある。また、松坂氏の上述の発言はシーズン中は痛みを我慢してプレーするという前提がある。だが、その間に致命的な怪我に進行するケースもあろう。興味深いのは松坂氏の発言は対談相手の裙本氏が以下のような発言をした後になされているということである。
セルソースの特許技術(PFC-FD)は血液から取り出した成長因子を凍結乾燥しているので、室温で長期間保存できます。だからケガをした時のために、予め採取しておいて、万が一ケガをしたら当日とか翌日に治療できる
NumberWeb,2021/11/30 11:06掲載,松坂大輔「8~9割のプロ野球選手は“不具合”を抱えている」ケガに泣かされてきたからこそ訴える「体のメンテナンスにはお金をかけて」より引用,2023年12月28日最終閲覧
裙本氏は怪我をしたら即治療という発想だが、松坂氏の中では健康体と怪我の中間に「違和感」や「痛い」という状態があり、それはオフまで我慢するという発想がある。違和感が怪我かというと微妙だが、後者の「痛い」という症状があるならばそれは一般的には怪我の範疇である。裙本氏の考えでは即治療すべき案件に当たると推察されるが、松坂氏の発言には「シーズン中は治療したくない」という発想が見え隠れする。例えば、PFC-FD治療を実施している医療法人恵会小林整形外科クリニックのHPには治療後の経過として下記のように記されている。
治療後1週間から効果を感じ始めます。リハビリテーションを開始、徐々に運動の強度を上げていきます。スポーツの再開もOKです。
治療後1か月で痛みは軽減し、思い通りに身体を動かせます。痛みが引いて症状の改善も実感できる期間です。
医療法人恵会小林整形外科クリニックHP,PFC-FD™療法より引用,2023年12月28日最終閲覧
1週間後からスポーツ再開できるとしてプロスポーツに復帰しようとしたら、治療期間に落ちた筋肉の回復が必要なのでそれ以上に時間がかかる。盤石なレギュラーならいざ知らず一軍当落線上の選手なら2-3週間戦列を離れているうちにライバルが活躍しようものなら回復しても、ベンチを温める(ないし一軍に上がれない)可能性が大いにある。いくら「早期に復帰できる」治療と言っても、離脱期間が発生するならば簡単には踏み込めないというのがプロスポーツ選手の悩みである。その辺が、上述の裙本氏の提示する治療と松坂氏が想定する「シーズンオフに治療」に微妙な差異を生じさせている原因であると思われる。
6.どこまで痛みを我慢するのかという問題はプロ野球選手にとって難題である
結局のところ、プロ野球選手にとって「離脱期間が発生する治療」という選択は常に難題である。ある程度職業病だと割り切って出場することが最善であるというケースは多々ある。しかし、それが致命傷に至るケースも存在する。下手に医師に相談した結果、本人の怪我は致命的でないとしても首脳陣が「パフォーマンス低下」を懸念して他の選手を起用するという場合もある。特にレギュラー争いをしている選手の場合似たような実力なら怪我が認知されていないほうを選ぶという首脳陣もいるだろう。チーム内でも選手同士は個人事業主として競争をしている。単純に治療だけを最優先すれば良いという問題ではないところに難しさがある。
追伸:実は整形外科受診後指先の痺れが出始めており、すでに当該整形外科が年末休暇のため年明けに整形受診するまでブログの更新を停止します。それでは皆様良いお年を。
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