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学生野球の指導者が「スカウトを行う」異様な状況。

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今晩は。近くにある市場で魚を買う事に目覚めたtthgです。

ブランドン選手の母校東農大オホーツクの元監督の樋越勉氏が書いた「東農大オホーツク流 プロ野球選手の育て方: ~氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ」という本を読んでみた。tthgが本書に期待していたのは、昔はドラフトで聞きもしなかった大学がプロ野球選手を排出するようになる過程で獲得した「プロ野球選手を育てる特別な特別な育成方法何か?」という点だった。しかし、本書の結論は下記のような部分だった。

多くの選手をプロに送り込めたのは、そもそも「プロに行ける」素材を集められたことも大きい。「見極められた」というほうが正しいかもしれない。

プロ野球選手になるには、やはりそれ相応の素材が無くてはいけない。

本書p173

勿論、「素材を集められたことも」という表現の通り、樋越氏がその素材に対してどう指導したかという点も本書でも語られていたし、それがなくてはプロの選手が生まれなかったというのもある程度事実であろう。


しかし、本書の至る所に、プロに入り得る素材である高校生を「いかにスカウトしたか」という話が出てくる。網走という日本の最北端の何も娯楽のない大学に進んでくる高校生は稀である。高校生でドラフトにかかる選手や六大学や東都でやれる選手はオホーツクには来ない。そこを樋越氏が本人と家族を説得して網走まで来てもらうことが彼の仕事の一つだったようだ。つまり、樋越氏がした事はある程度野球の実力がある者を「獲得してきた」という要素も大きい。ある程度素材を揃えたのであれば樋越氏の育成が大学野球に置いて特別な力があったのか?という点は微妙である。

更に言うと、これは本来、学生野球がなすべき「教育」とは違うように思う。プロ野球の育成選手であれば大いにスカウトして素材を求めれば良い。だが、学生野球はあくまでも「教育の一環」であり、座学では学ぶ事のできない「組織の中における課題解決能力の涵養等」が目的であって、「プロ野球選手輩出」が最終目的ではない。(少なくとも教育の一部である事を否定しない限りプロ野球選手の輩出が最終目的にはなり得ない。)

別に座学では学ぶ事のできない学びがそこに有れば良いという事であれば「素材を集めてきて」育てる必要はない。素材を集められなくて、プロに行ける選手が出なくても、部活動の中で部員に「社会にでて行く時に必要な能力の涵養する」という意味で成功していれば、なんら問題がない。誤解ないように申し上げておくと、これは「勝敗に拘る必要はない」というわけではない。課題解決能力の涵養という意味では「勝利」という結果を出す為に努力して、実際に結果を出す事が必要である。全く結果が出ていないのに教育が成功だったと言うのは無理がある。だが、その結果の評価基準は「元あった能力に以上の結果が出ているか」であるべきであり、「優勝」「全国大会出場」「プロ野球選手の輩出」という結果の絶対値が基準になるべきではない。

しかし、残念ながら今の学生野球は私立高校や大学の広告塔の役割があるから結果の絶対値が評価基準になっている。だから素材をスカウトするという事に注力する。そしてその事を関係者は疑問すらない。だが、それは「教育の一環」という範疇を超えている。教育の一環であるなら、学生野球は結果の絶対値ではなく、「創意工夫によって素材以上の結果を出しているか否かであるべきだ。そして、スカウトというのプロないし、プロ下部組織のやる事だ。しかしながら、プロ側も育成を甲子園や神宮という学生野球に頼ってきたものだから、その品評会たる全国大会に出る事が私立高校や大学の広告宣伝として機能してしまっている事情もある。

こうした歪な関係はプロが育成にコミットして「結果の絶対値を求める育成」はプロ、「教育の一環としての部活動」は学生野球という棲み分けがをして解決すべきである。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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