シーズン序盤は勝ち負けに関係なく中継ぎはローテーションで回すべき
おはようございます。なんだかんだ言ってライオンズが上位に居てうれしいtthgです。
本日のお題は中継ぎローテにつていて。tthgはシーズン序盤は勝ち負けに関係なく中継ぎはローテーションで回すべきだと思っている。例えばクローザ+セットアッパー2人を2セット用意して余程大差にならない限り7-9回はその6名を交互に登板させる。ベンチ入りの2-3名は先発が6回持たなかった時のロング待機にして不定期登板とする。こうした運用をtthgが良いと思う理由を今回の記事では述べていきたい。主な内容は以下のとおり。
1.スタートダッシュより中継ぎの体力温存
まず、注目したいのはポストシーズン制が定着したのでスタートダッシュの重要性が相対的に低下している事である。今も昔もスタートダッシュが大事であることは変わりがない。ただ、現在はスタートダッシュに成功しても中継ぎが疲弊してポストシーズンを迎える頃には中継ぎがボロボロというチームは優勝してもその後の戦いは悲惨なものになる。これは2019年ラインズの教訓である。この年ライオンズは優勝したがなけなしの中継ぎを酷使した結果一番重要な試合で平井投手が1点差を守れずCSで敗退した。優勝してもこうなってしまっては、素直に喜べないし、そのチームに対する評価は微妙なものになる。序盤から中継ぎを使いまくって終盤におつりがなくなるチームは現代野球にフィットしているとは言い難い。目指すべきは終盤にも中継ぎに体力的な余裕を残しつつスタートダッシュする事である。仮にそれを目指して中継ぎにゆとりのあるローテを組んだ結果スタートダッシュに失敗しても、ライバルが中継ぎを酷使して失速してくれれば逆転のチャンスは残る。また、シーズンで逆転できなくても更にポストシーズンで逆転の目が残る。スタートダッシュと中継ぎの体力を残すことの二択であれば後者のほうが重要なのが、ポストシーズン制以後の野球の特徴である。
2.若手中継ぎの経験値が上がる
もう一つの利点はこれからステップアップしていく若手に貴重な経験値を与えることができる点である。特定の役割を持たず便利屋的に使われて結果を残してもセットアッパーやクローザーでは重圧も違うのでその役割に適応できるかは別の話である。甲斐野投手がOP戦終盤にクローザーで起用されて打ち込まれたが、似たような事は常に起こり得る。そこは経験して克服していく側面がどうしてもあるが、「僅差なら勝ちパターンの投手」という起用法ではどうしても経験値が不足してく。セットアッパーの場合は7回ないし8回なのである程度流動性もあるが、クローザーは最終回のみの1回なので経験値が更に積みにくい。勝ちパターンにこだわらず、毎試合7-9回を担当する投手をローテーションで回せば定期的にセーブ機会や僅差のしびれる場面が回って来るのでそこで経験値を積める。仮に失敗したとしてもそれはこれらからの若手にとっては貴重な糧なので未来への投資になる。
3.若手中継ぎの怪我・不調の予防
他の理由としては怪我や不調の予防である。以下の記事で紹介したように、役割の定まっていない中継ぎ投手はいつ行くのか分からないので、登板しない日もブルペンで準備する。野田投手は2018年に実に「170回くらい1」肩を作ったという。野田投手の場合プロ入り時点から故障持ちだったようなのでこれが怪我の全ての原因というわけではないが、リスクではある。
例えば、近年ライオンズで一時中継ぎで主力を担っていた投手で明確な怪我や不調に陥った投手は野田投手のような起用法が不安定な投手が多い。左でワンポイントも含めてかなり流動的な使われ方をしていた佐々木投手は昨年TJ手術をする事になった。2021年・2022年と勝利、セーブ、ホールドのいずれもつかない登板が30試合前後あった森脇投手は怪我がちで昨年は右腕の血管を手術して育成契約である。2022年中継ぎとしてブレイクしたものの2023年に安定感を欠いた本田投手は2022年に回マタギもありつつ45試合で50回1/3を投げ、勝利、セーブ、ホールドのいずれもつかない登板が21試合あった。2022年の水上投手も一応勝ちパターンだったが、リードされての登板も散見され「同点ないし、リードしないと登板はない」という存在ではなかった。対照的なのが平良投手で、平良投手は上述の4投手以上に2021年からの3年間54試合以上投げその内2021・2022年は60試合オーバーである。だが、2021年から絶対的なセットアッパーないしクローザーだったので「同点ないし、リードしないと登板はない」と決まっていた投手なのでブルペンで「準備だけする」というケースが相対的に少ない投手だった。
これらの事例を踏まえると、「いつ登板するか分からない」という中継ぎは相対的に怪我や不調のリスクが高いと推測できる。中継ぎローテションの導入でこれらの不調や怪我のリスクを回避できれば当該年度で勝てなくても次年度に戦力の厚みを確保できる可能性がある。例えば今年森脇投手、佐々木投手、水上投手が元気だったら中継ぎの陣容は大きく変わって来る。
4.中継ぎの実稼働試合数を増やせる可能性
もう一つ中継ぎローテーションによりブルペンでの無駄な待機を無くすメリットとして考えなくてはいけないのは「中継ぎの実稼働試合数を増やせる可能性がある事」である。平良投手の例でも60試合以上投げても「登板予定がある程度ハッキリしている場合」にはブルペンで無駄に球を投げないので怪我や不調のリスクが少ないという事であれば、「中1日確実にノースローの休養日」を設ける事にすれば、70試合前後投げても大丈夫な可能性もある。70試合登板で70回ブルペンで肩を作っても合計140回なので、野田投手のように「170回」肩を作って40-50回投げるより負担は少ないとしても自然な話である。序盤で大差のつく試合でロングを挟めば中継ぎローテーションでもトータル60試合ぐらいで収まる可能性は十分あるし、その分を終盤の勝負所やポストシーズンで連投するための貯金にする事も出来る。ブルペンで「肩を消耗した結果」不定期登板で40-50試合しか稼働できないよりも、「準備」を極力省いて「試合で投げる回数」を増やした方がトータルの投手力向上につながるのではないだろうか。
5.総括
中継ぎローテーションを導入することで短期的に負けが増えるリスクは確かにある。だが、シーズントータルで見た時に後半戦で巻き返したり下剋上の可能性を上げるという意味ではリターンは見合っている。少なくとも怪我や不調予防を加味すると中継ぎにも登板日を固定するメリットは大きい。
各選手の成績については以下を参考にしました。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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- 塩畑大輔,note,2021年1月19日 20時00分,早すぎる引退。「やりなおせるなら」の問いに彼は…中継ぎ投手という生き方 より引用,2024年4月7日最終閲覧 ↩︎