今晩は。PCが壊れててんやわんやだったtthgです。
ライオンズの今年のスローガンが「走魂」に決まったとのこと。
【読売新聞】 プロ野球・埼玉西武ライオンズは29日、本拠地ベルーナドーム(所沢市)で今季のチームスローガン「 走魂 ( そうこん ) 」を発表した。松井稼頭央・新監督が野球の原点と考える「走る」ことに立ち返り、4年ぶりのリーグ優勝と 西武「走魂」でV狙う 今季スローガン - 読売新聞オンライン |
下記の記事でも「足」では得点力向上は見込みにくいということについて触れたが、上記のスローガンに触れて改めて得点力と走力の関係について思うところがあったのでそれについて書いてみたい。
野球の得点は打者が4つ塁を進むことによって生まれる。この4つのうち「走力の差異」によって可変する割合はいかほどか。2002の日本シリーズの清原氏のように足にけがをしていてまともに走れない選手がいる場合は別にして、走力でシングルがツーベースになるケースなどの走力で一つ先の塁に進むというケースは多くはない。得点圏のヒットや犠牲フライでも走力で結果が変わるケースというのも同様である。それ以外では「盗塁」やエンドランもあるが、これはそもそも出塁しないと作戦として実行できないという性質があるし、失敗のケースもあるので純粋にプラスではない。
セイバーメトリクスではOPSと得点の相関関係が指摘されているが、OPSには盗塁エンドランなどの作戦面だけでなく、ヒットや犠牲フライ時の走者の差異も考慮されていない。上記のうちOPSで考慮されるのはヒットを打った時の走力で一つ先の塁に進む能力だけである。それにも関わらずOPSと得点に相関関係があるのは、走力の得点に及ぼす影響は相対的に小さい事の証左である。
これを無理矢理走力で打力不足を補おうとすれば、欲をかきすぎて暴走してアウトになったり、無理な盗塁をしかけて逆に得点力をそぐ可能性が出てくる。一つ先の塁を狙うとか盗塁は冷静な判断力があって初めて成功する作戦である。そもそも打力や選球眼に乏しく出塁できない状況で虎の子のランナーが「なにがなんでも次の塁を取らなくてはいけない。」という状況に追い込まれて仕掛けても、冷静な判断が伴わず失敗するのが関の山である。
むしろ、ベースの打力や選球眼が高く、多少失敗しても次がある状況でこそ有効な作戦である。山賊打線の頃は盗塁数も多かったが、そもそもの出塁率が高いうえに長打でも点が取れるのでランナーも「多少失敗しても」という気持ちになれる状況だった。行ってもいかなくても良いならば相手のスキを突けるときだけ行けば良いので成功率もあがる。長打警戒の状況でもランナーが走ってくるので緩急をつける配球ができなくなるという数字に現れないメリットがあった。また、長打力があるのでランナー1塁でも走力のあるランナーが一気にホームにもってくるケースも増える。
これらの、山賊打線の時のような状況では同じチームOPSでも走力の違いで細かい差は出てくる。その文脈で言えば「走力」が得点力の差異を語るうえで重要な要素にはなりえる。だが、ベースの得点力に大きく差があるのにそれを走力で埋めることは難しい。基本的な打力と選球眼のほうが、得点力向上という課題において優先度は高い。
なお、蛇足だが、ベースの走力は守備にも影響があるので、とにかく鈍足でも打てればレギュラーというのも極端である。守備レベルを一定のラインでキープできるなら走力より打力と選球眼のほうが得点力向上につながるということである。
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