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今井投手に2018年の思いを実現する舞台を用意できなかったライオンズに思う事

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涙の物語:石井投手の悔しさと、今井投手が背負った『エースの宿命』 – tthgの野球ブログ

1.タイガース石井投手の涙で思い出した2018年の今井投手

2025年日本シリーズ第5戦。タイガースの石井投手が、ホークスの柳田選手から8回に同点ホームランを浴びた。試合後石井投手は涙を見せた。この場面を見てtthgは2018年のCSで涙を流した今井投手を思い出した。NumberWebに掲載された市川忍さんの記事によれば当時の今井投手は下記のように語ったそうだ。

「やっぱり、ああいうところで勝てないとダメだなという思いがいちばん強かったです。セレモニーのときも、それが頭をよぎっていました。泣いている監督を見て、監督もそれだけ悔しかったんだなと思うと……」

2018年12月13日 11:30配信,NumberWeb,西武・今井達也はエースになる。辻監督は「まだ20歳。よく投げた」。より引用

2.2018年に感じた今井投手の「エースの資質」

当時まだ20歳だった今井投手について、私はかつて自身のブログでこう記した。(当時の記事は削除してしまったので以下に内容を再掲する)

今井投手は「自分が前日の第四戦で好投して勝っていれば」と自分を責めていたようだ。単に悔しい気持ちだけでもらい泣きしたというなら評価できない面もあるが、彼は「自分の責任」と思っていた。2年目のペーペーが負ければ王手をかけられる一戦で失敗するのはある程度仕方ない。その彼に大事な試合を任さなくてはいけないチーム状況が悪いのだ。

少なくとも今井投手が一方的に責められるような状況ではない。でも彼の中では「自分の責任」だった。この考えをtthgは高く評価する。野球はチームスポーツだから誰の責任というのは曖昧だ。勝ち負けの責任が誰にあるのか明確でない場合もある。しかし、チーム全員が「自分の責任」と思っているチームは強い。とりわけエースと呼ばれる人間は例え打線が0で負けても「俺が打線が打つまで抑えられなかったせいだ」と言えるような責任感が必要だ。「クオリティスタートしたから俺の責任ではない」とか言う奴がエースでは勝てるわけがない。

野村克也氏によればチームの中心たる四番とエースがしっかりしていると周りも自然と頑張って良いチームになるという。黄金時代の辻監督などは四番ではなかったが強い責任感でチームを引っ張る存在だった。

今井投手の涙には成績が伴えばエースになれる思考がある。是非彼にはこのオフのトレーニングによってエースになれる身体を造ってほしい。間違っても20になったからと言ってまた喫煙するようではダメだ。エースがそんな姿では後に続く後輩達が堕落する。

今井達也投手。エースになるという気概を持ってオフを有意義に過ごしてライオンズに日本一をもたらす投手になってくれ。あなたにはその資格がある。

3.エースになり得た今井投手、しかし…

ここ2年間の今井投手のパフォーマンスは圧巻だった。もしチーム戦力が整っていれば、「CSや日本シリーズで勝利を引き寄せる投球」が間違いなくできていたはずだ。
しかし、彼にはその機会すら与えられなかった。

そして彼は今オフ、MLBへと羽ばたく。これで事実上、「今井投手が西武ライオンズで日本一をかけた試合に登板する」という可能性は消滅した。

tthg的:今井投手の成長とチーム状況の乖離

2018 2025 (現在) 今井投手の実力 (MLBへ) チームの順位・戦力 埋まらなかった溝

4.作り物ではないプロ野球の魅力

プロ野球の最大の醍醐味、それは「チームの歴史の上に成り立つストーリー」だ。
台本はないけれど、台本があるかのように何年もかけて実現する。そういう瞬間こそ、作り物ではないプロスポーツの魅力である。今井投手が20歳の時に流した涙が、5-6年単位の時が流れた上で歓喜の涙に変わる。このストーリーはまさにtthgがプロ野球に求めているものである。

5.今のライオンズに「ストーリー」を生む力はあるか

感動的なストーリーを実現するには、前提として「チームの勝利」が必要だ。
しかし残念ながら、今のライオンズは以下のような状況でありその土台を感じない。

  • 山賊打線ができても投手力が崩壊
  • 先発が揃えば今度は打線が沈黙
  • FA・ポスティングでの流出に対し、補強は皆無
  • 外国人の当たり確率は低空飛行
  • 代名詞だった「育成力」も、もはやストロングポイントとは言えない

この状況を打破するには、以下のいずれか(あるいは両方)で他球団を出し抜く必要がある。

💰

資金力(補強)

お金をかけた補強。
今のライオンズには期待薄。

必須条件
🌱

育成力・スカウティング

比較的安価だが、知恵と工夫が必要。
せめてここは他を圧倒してほしい。

🦅

両立(ホークス流)

資金も育成も。
これが最強だが、ハードルは高い。

一番確実なのはホークスのように「両方やる」ことだが、せめてライオンズは伝統である「育成とスカウティング」で結果を出してほしい。
それなくして、「チームの勝利」を前提とした感動的なストーリーが生まれることは、ほぼ不可能に近いのだから。

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