脳科学から考えるポストシーズンの秘策。

今日は。脳科学に興味があるtthgです。

先日、脳神経外科医林成之氏が書いた「脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 )」という本を読んだ所野球に使えるであろう面白いの宝庫だった。そこで、今日からしばらく、この本の中から野球に使える知識を紹介しつつそれをどう野球に活かすべきかという記事を書きたいと思う。

まず、最初に紹介したのは林医師が北京オリンピックの競泳チームのアドバイザーに就任した際、「代表選考会が終わった後休養を与えるのではなくハードな練習をするよう進言し、それを代表チームが実践して本番で良い成績を収めた」というエピソード。(本書P93-93を参照)これは脳科学的に「終わった」「完成した」というメッセージを脳が受け取るとその人の最大パフォーマンスが落ちるという理論による。「終わった」「完成した」というの気持ちは脳にとって「否定語」であり、そのメッセージが身体を動かす機能を鈍くしてしまうのだそうだ。だから、五輪の選考会後に「休養」を挟んでしまうと脳が「終わった」という信号を受け取ってしまうと本番にマイナスなので敢えて負荷の強いトレーニングを課したとうのである。当然のことながら、五輪選考会までのトレーニングによる疲労を取ることが先決というのが競泳チームのそれまでの常識だったわけだが、その常識を覆したことによりチームのパフォーマンスは上昇し金メダルを取った北島康介選手を筆頭に北京五輪の競泳日本は大きな成功を収めた。



この理論は野球のポストシーズンの戦い方において大きな参考になる。CSの一位通過チームが不利な点として「試合勘」が上げられるが、試合勘とは「脳が一度休んでしまう現象」である可能性がある。明確な怪我がないならば、シーズン優勝が決まってからポストシーズンまでの間に「休養」を挟まずむしろ負荷の高いトレーニングを課すことで脳に対して「勝負が続いている」というメッセージを送る方が得策である可能性がある。

優勝が決まっても、公式戦で主力を休ませるという選択もマイナスの可能性が高い。さらには「優勝セレモニー」である「胴上げ」や「ビールかけ」も脳科学的にはマイナスである可能性もある。胴上げやビールかけは「優勝した喜び」を爆発させる儀式だが、「一つの区切り」というメッセージの強い儀式である。上記の五輪の例で言えば本番で優勝を狙っていた北島選手などは選考会突破ごときで喜べるはずもない。たとえ喜んだとしても野球の優勝の喜びとは比べ物にならない。そういう意味では選考会そのものに「なにかを成し遂げた」というメッセージ性は弱い。しかし、野球のシーズン優勝には大きな意味がありそれ自体が「一区切り」というメッセージを持ってしまう。それを強く意識する胴上げ」や「ビールかけ」は脳に「終わった」という信号をおくってしまうとしても不思議ではない。

今年シーズンがあるのかないのかまだ不透明だが、仮にシーズンがあってライオンズがシーズン3連覇を成し遂げた暁には「胴上げ」や「ビールかけ」はなしという選択をしても面白いのではないだろうか。久しぶりの優勝だった2018シーズンにはそれらの儀式は必要だったと思うが、2年連続でCS敗退で迎える今年の目標は明らかに「シーズン優勝」ではない。CS(それがない場合は日本シリーズ)が大目標の今年わざわざポストシーズンのパフォーマンスを落とす可能性のある儀式をやる必要はない。シーズン自体が短縮されれば、(かつ過密日程でなければ。)疲労や怪我懸念もへるのでシーズンの優勝が決まっても「高い負荷を維持する」という選択もやりやすい。

今年のシーズンが実施されてライオンズが優勝するという仮定の話にはなるが、それが実現するならば是非首脳陣と選手に参考にしてもらいたいエピソードである。


本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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