杉谷拳士氏の思い出

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今晩は。珍しくライオンズ以外の選手について語りたくなったtthgです。

今日は昨年でプロ野球を引退した杉谷拳士氏の思い出を書いてみたい。tthgは「野球ファン」ではなく「ライオンズファン」なので他球団の選手に思い入れがあるというのはレアケースである。杉谷氏はその数少ない例外である。杉谷氏に思い入れがある一つの理由は、tthgが「帝京高校」のファンだからである。

帝京高校ファンになったキッカケは幼少期に帝京大学病院のお世話になったこと。当時tthgは体が弱くて毎年秋口に1月ほど寝込む大病をしていた。その時は「マイコプラズマ肺炎」か「溶連菌」で寝込んでいて町医者では手に負えないので帝京大学病院に紹介された。色々検査して「あと数日様子見て熱が下がらないなら入院」と言われたことを覚えている。結局熱が下がったので入院はしなかったが、当時の年齢では「入院」というワードは重たいものでその出来事はtthgの一大イベントだった。

一方で、当時帝京高校は正月の高校サッカーや甲子園に度々登場する強豪だった。高校のスポーツイベントは県別代表なので自然と出身県である東京代表を応援するし、それがついこないだお世話になった「帝京」の一員だったので他の高校よりも思い入れを持って応援していた。それが毎年のように繰り返されるうちにtthgの中で「帝京」のブランドは確固たるものになっていった。

その帝京高校の中でも杉谷氏が中心選手として活躍した2006年のチームは非常に印象深いチームだった。この年浜松で車でルートセールスの営業を回っていた。営業車についているAMラジオが車中の数少ない娯楽だったので甲子園の時期はラジオを聞いていた。帝京の出場する日は営業は車でラジオを聞く方に集中するぐらいだった。

そして、帝京はこの大会の最後に、智辯和歌山と甲子園史上でも屈指の名勝負を演じる。8回終了時のスコアは4-8で智辯和歌山リード。流石にtthgもラジオを聞きながら今年はここまでと諦めた。しかし、ここから帝京が一挙８点の猛攻を仕掛けて12-8。ヒットが出るたびに少しずつ期待する気持ちが回復して、この回が終わった時には「勝った」に変わっていた。

ところが、その裏の守備で登板する投手がことごとこく打たれて逆転負け。当時は知らなかったのだが、この回に登板した投手はその年投手としての登板はなく、ぶっつけ本番が全国大会という無茶ぶりだったようだ。実はその中で２番目に投げたのが杉谷氏だった。ショートで出ていた一年生だったので、身体能力も高いのだろうとなんとなく期待したが、あえなく１球で降板だった。

映像を見れば、帝京の投手が本業でないのはなんとなく分かっただろうが、ルートセールスのために動かしている車中で音だけで聞いているので、聞き漏らしもありイマイチ状況を把握できずに期待するものだから、この9回裏の帝京の守りにおけるtthgの感情の起伏が激しく今でもその時の事が頭に残っている。

当時強烈な印象をtthgに残したチームの主力であった杉谷氏が、後年プロ入りした時には注目していた。また、ファイターズで毎年少しずつチャンスをもらっていたのはうれしかった。これがファイターズの絶対のレギュラーでライオンズが何回も痛い目を見るとかであれば話は違うのだが、その辺が良い塩梅に収束していたので「今年は活躍するかな」ぐらいの興味を持ってみることが出来た。

奇しくも杉谷氏がプロの舞台で注目された場面の一つはメットライフドーム時代のウグイス嬢による「杉谷イジリ」だったが、これについても「とりあえず目立ってよかった」ぐらいのおおらかな気持ちで見ていた。本来的には「敵チームの選手をホームで目立たせてどうする」という意見は傾聴に値するところだが、本件ではあまりそういう感情はなかった。

正直なところ純粋なプロ野球選手としての成績では歴史に残る選手ではなかったがファンの「記憶」には残る選手だった。そして、エンターテイナーとしては間違いなく一流なので、今後もテレビ等で活躍する事だろう。一昨日のリアル野球盤に出ていたが、もう完全に「テレビタレント」になっていた。とんねるずの石橋氏の後輩という事もあってレギュラー番組的なものも存在するのも普通の選手とは違うアドバンテージである。今後はライオンズとの利害も完全になくなるので、杉谷氏のトークを楽しむこととしたい。

杉谷選手。14年間お疲れさまでした。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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