今の球界では、どんなに頑張っても単年5億が限界だが、メジャーに行けば、最低でも億単位で20億とかも夢ではない。この年俸格差を少しでも埋めないと、中心選手のメジャー流出は止まらない。この点についていえば、金満球団と揶揄されるホークスであっても同じ問題を抱えている。
そう考えた時に、球界全体で増収という課題と向き合う必要がある。04年の球界再編以降、親会社頼みだった球団経営が、新規参入の楽天を筆頭に、球団単体での黒字を目指す方向に変わり、各球団が少しずつ成果を出し始めている。特にパリーグは、楽天、ロッテ、日ハム、辺りは早くから地域密着を前面に押し出し地域での人気を確かなものとし、経営が軌道に乗り始めている。親会社からの資金の投入はあるものの、ソフトバンバンクも観客動員という点では成功例である。セでも広島やDeNaなども結果を出し始めている。
しかし、これらの営業努力も、マーケットが日本に限られる限り、その成長に限界がある。特に少子化で人口減が始まっている日本のマーケットだけで勝負する限り、そのパイに限界がある。そのパイ全体を大きくするためには、国際化が一つのキーワードである。球団所在地の周りの人口には限りがあるが、「映像を買ってチームにお金を落とすファン」は所在地にとらわれず存在し得る。メジャーだってその映像を海外で消費するファンがいるので、高額年俸が可能となっている。
ネット時代になって、映像を売るインフラは世界中に存在しており、コンテンツに魅力があれば、世界中の野球ファンに投資してもらえる状況になった。とは言え、いきなり国外の野球ファンに日本プロ野球の映像に金をだしてくれといっても難しい。
そこで、一つ提案だが、地理的に近いアジアのチームを球界に招いてはどうだろうか。台湾や韓国のプロ野球チームと対抗戦という形でリーグを形成し、アジアリーグとして興行を行ってはどうだろうか。台湾や韓国のチームが参加するリーグになれば、これらの国の野球ファンがネット動画に課金してくれる。熱心なファンなら、現地観戦もしてくれる。そして、台湾や韓国のチームも日本からの投資を呼び込めるから悪い話ではないだろう。
アジアのチームをエクスパッションできれば、今言われている下剋上問題も、4チームぐらいのリーグを何個か作って一位同士でプレーオフをすることで解決する。消化試合対策には2位のチームの中から最高勝率のチームをワイルドカードにすれば対策できる。
色々乗り越えるべき壁はあると思うが、マーケット自体を増やすという発想は重要ではないだろうか。
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