おはようございます。野球の本質について考えるtthgです。
先日FA問題で軽く炎上した氏原氏が下記の記事で高校野球におけるサイン盗みについて批判していた。それを読みながら改めて野球における情報戦の意義について考えたので今日はその事についてtthgの意見を書きたい。
2020年のスポーツ界におけるトピックスを『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は野球界で度々問題視されるサイン盗みについてだ。高校野球にまではびこる“勝利至上主義”の害悪、そ <2020ベストヒット!>「サイン盗み」は対岸の火事ではない! 高校野球で見え隠れ... - Yahoo!ニュース |
tthgとしてはサイン盗みが全て悪だとは思わない。tthgが明らかにダメだと思うのはグラウンドの外の人の力を借りる事だ。昔はセンター方向から双眼鏡を使って捕手のサインを盗み見て打者にそれを伝えるという行為が横行していた。これはグラウンドの外の人の手を借りている点で公平性に欠ける。野球はグラウンド上ではベンチ入りの選手やコーチを制限してお互いに同じ人数で戦う事なルールになっている。しかし、サインを盗むために間接的にでもグラウンド外の人間の手を借りるならば、グラウンド上で同じ人数で戦うというルールを超えている。今はテクノロジーの進歩で映像による伝達などはやろうと思えばこうしたグラウンド外の人の手を借り出したらやれる事は飛躍的に増えた。だから、これをやり出したら際限のない情報戦になる。極端な話グラウンド外の情報戦が実質的に勝敗を分けるような事態にもなりかねない。グラウンドの内の戦いが本質的に変わるようなサイン盗みは禁止して然るべきだ。
だが、氏原氏の指摘している高校野球でのサイン伝達は2塁ランナーがサインを見てそれを解釈して打者に伝えるという形態のものでこれはグラウンド内の話だ。これは外の人の力を借りるサイン盗みとは本質的違うものである。グラウンド内に落ちている情報を的確に処理して戦っているわけで不正な手段で情報を入手したわけではない。例えて言えば、グラウンド外からの情報伝達は株でいうインサイダー情報のようなものだが、グラウンドの中に落ちている情報は企業の公開している財務諸表である。公開された情報の中で戦うならば不公平という事はない。
また、グラウンドの中の情報はサインに限らない。プロになれば相手投手の癖を分析してそれを配球の読みに使う事も明らかな情報戦だが、これは高等技術と認識されている。それなのにサインの情報を活用することだけが不正と言われるのはおかしい。更に付け加えると元ジャイアンツの槙原投手のように投手の側からサインを出して投げる場合もある。(確か視力が悪くて捕手のサインが見えないという理由だったはず。)このサインは見破られまくったという事だが、これはサイン盗みとして罰せられたのかというとそんな事はない。余談だが、球種モロわかりなのにエースとクローザーを務めた槙原して氏の実力はとんでもないものだったと思うが。
野球は頭を使うスポーツだ。情報を処理する力も能力の一つである。だから闇雲に情報戦を規制するのは野球の本質を変えてしまう。だが、グラウンドの外まで巻き込んで際限のない情報戦は公平性に欠ける危険があるので、グラウンドの中に限定すべきである。その範囲であれば大いに情報戦でも戦ったら良い。それがtthgの見解である。
氏原はどうもその辺の理解はないようで、とにかくサイン盗みは悪であり、育成年代でそんなものに頼るようでは成長できないみたいな事を言っている。しかし、情報戦に長けるようになる事を野球選手の本質的成長である。勿論情報戦に頼りきり技術や体力面の鍛錬を怠るなら問題だが、それはバランスの問題である。更に言うと高校野球は一部強豪校に圧倒的に戦力が偏る。その中で、弱小チームが情報戦で対抗して勝つとかはある種の醍醐味だと思うし、選手が技術や体力で不利状況を工夫して勝つ力を養う本質的育成でもある。かつて野村克也氏がブルペン捕手から一大スターにのし上がった原動力は情報戦だった。野球は技術体力に劣るものでも頭を使って逆転できるスポーツだ。情報戦はの本質であり、無闇やたらと制限するべきではない。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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