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ライオンズは「マネーゲームに対抗」できる程の「質と量」を育成で確保できるのか?

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今晩は。育成と補強のバランスを考えるtthgです。

先日東洋経済のライオンズの記事で気になる記事があった。それは下記のライオンズの育成に関する記事だが、その中で秋元ディレクターの言葉として「マネーゲームに対抗するには育成だ、となりました。」と記されている。

愛知県立蒲郡高校時代に無名投手だった千賀滉大は今季、メジャーリーグ最高峰の資金力を持つニューヨーク・メッツに移籍し、チーム最多の12勝、リーグ2位の防御率2.98を記録するなど1年目からエース級の活躍を見せ…
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育成重視という考え方自体は大事だし、むやみにお金で選手を引っ張ってきてもチームのパワーバランスが崩れるので良いことばかりではない。下記の記事で書いた通りtthgも育成なり三軍に非常に大きな期待をしているし、お金の限られるライオンズには育成力でカバーする必要を感じている。最近は水上投手や豆田投手、長谷川選手、滝澤選手と一軍でも育成ドラフト出身を見かけるようになったことは大きな進歩である。その意味では上述の記事で書かれているライオンズの育成は多少なりとも機能していると言えるだろう。だが最近は「それだけで大丈夫なのだろうか?」という思いもある。


一番懸念しているのが「マネーゲームに対抗」できる程の「質と量」を育成で確保できるのかという点である。「量」のほうは育成ドラフトを含めてある程度の選手は確保できるかもしれない。だが、肝心の「マネーゲーム」になるレベルの選手を「育成できるのか?」という疑問がある。その根拠は育成ドラフトの選手のこれまで残してきた結果になる。

育成ドラフト経由で現在最も成功しているのはメジャーに行った千賀投手である。彼は紛れもないエースまで上り詰めたので、tthg的にもこのレベルが育成で取れるならこの分野で「マネーゲームに対抗」が可能という期待があった。ただ、その後このレベルの投手は出てきていない。野手のほうはもっと顕著で甲斐選手や牧原選手が最上位クラスの育成ドラフト経由の選手になる。

かつて「野村再生工場」なる言葉が造られるほど他球団を解雇された選手を活用していた野村克也氏ですら「エースと四番は育てられない」が持論だった。育成ドラフトの選手のその後を見ても千賀投手が例外的な存在であるとすれば、野村氏の言うように「才能の絶対値を超えて育成することはできない」というのが現実であるように思えてならない。

もちろん、支配下ドラフトにかかる程の選手であれば才能の絶対値の差はあまりないので、育成次第で変わり得るという可能性はある。今のライオンズはそこを狙っているようにも感じる。だから、それが絶対成功しないと言うつもりはない。だが、支配下は年に6-7名が相場だし、その中には明らかにエースや四番を期待されていない選手も複数含まれる。例えば直近5年で四番候補(に見える)として支配下で獲得できたのは渡部選手と今年の村田選手ぐらいである。ブランドン選手や佐藤龍選手を含めても4名であり、彼らのうち二人ぐらいは成功しないと打線の中軸は外国人を含めた補強頼みということになる。そうでないと「マネーゲームに対抗」するには不十分である。スカウトの見込み違いの可能性も踏まえれば、ハードルは高い。

tthg的には、「育成ドラフト組からもある程度エースや四番を発掘できる」という前提であれば、「マネーゲームに対抗」できるだけの質と量を育成できる可能性があると考えていたが、その前提が崩れるとなると「育成一本やり」で今後のチーム運営を行うのは危険に思える。先日下記の記事でバファローズの育成の事を触れたが、バファローズは育成だけでなく適度に補強もしている。残念ながら、現状はこの路線のほうが勝つ確率が高い。少なくともtthgにはそう見える。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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