今晩は。とある忘れ物があったので休みなのに職場に行く羽目になったtthgです。
スポーツ雑誌のNumberが12月22日号でお笑いのM-1の特集をしている。中身を読む前は「M-1ってスポーツなのか?」と懐疑的に見ていたが、読んでみたらスポーツの定義に当てはめられるかは別にしてM-1にはスポーツと本質的に似た要素を沢山持っているという事実に気づかされた。まず、普通のお笑い番組と違い「勝敗」がハッキリしていることである。お笑い番組では「勝敗」という概念がない場合も多いが、Mー1は勝敗がハッキリしている。しかも優勝とそれ以外に決定的なコントラストがあり、優勝すると1,000万という大金を手にするだけでなく、その後のメディア露出が飛躍的に増えるという「芸人人生を根本的にかえる格」を手にすることが出来る。ある意味プロ野球の優勝とそれ以外よりも圧倒的に差がある。それゆえ勝負のシビアさはプロ野球以上かもしれない。
予選の段階から本命がいて、その中で優勝が決まる事もあれば、07年のサンドウィッチマンのように敗者復活戦のの中でも無名だったコンビが伝説的な下剋上を達成したりすることなども、スポーツにおける「ガチ勝負の魅力」と本質的に同等のものを持っている。
また、勝負ゆえの戦略がある。運営側であった島田紳助氏が「M-1はただ面白いだけでは勝てない」と何かの番組で言っていたが、上述のNumber誌の記事を見ると「M-1を勝つための戦略」があることがわかる。ライオンズファンにも「閉店ガラガラ」で有名な「ますだおかだ」は02年の優勝時自己紹介で「松竹芸能のますだおかだです。」と発言する。M-1は吉本興業が開催側なのでそこに喧嘩を売る「松竹芸能」のコンビというギミックを印象付けることでウケる下地をつくるという意図があった。また、出演順が前年準優勝コンビの次に決まった時「前年優勝コンビよりウケたらいける」と考えたそうである。お笑いで勝負すると出番が序盤だと客が「温まっていない」ため点数が上がりにくいそうである。しかし、直前のコンビがウケていれば、(客が温まっているので)点数が上がりやすいという思考があった。場の状況を冷静に判断して、「何を狙うのか」を明確にし、それを達成して勝つというのは、プロ野球のデータ分析や作戦選択と本質的に同じである。
06年優勝のチュートリアルは、決勝の1本目と2本目でネタを意図的に使い分けた。(M-1の決勝は1本目の上位3コンビが2本目に進む方式)1本目は場が温まっていなくてもウケるネタ、2本目は温まった後でこそ生きるネタという使い分けだった。これなどは「優勝」までの道筋を事前に想定し周到な準備をしていた証だが、これは日本シリーズで7戦までのトータルで勝つための投手起用などと通じるものがる。最近ではCSで下剋上を狙うためにファーストステージで投手を温存するという戦略にも通じるものがある。
戦略とか、勝負以外の部分でスポーツないし野球の魅力があるという人にはピンとこない話かもしれないが、tthgのように勝敗に対する興味が強く、「なぜ勝てたのか?」あるいは「なぜ負けたのか」という話に関心が高いファンにとっては、M-1の勝負や戦略という側面を踏まえれば「Number誌がM-1を特集する事」も納得できるのではないだろうか。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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