今晩は、3時間zoom会議で疲れたtthgです。
エスコン フィールド HOKKAIDOのホームからバックネットの距離が日本の野球規則の規定を満たさないと話題になっている。大前提として本件は球場を使った側の大チョンボであり、どんな判断がなされようと文句は言えない。規定違反のままならエスコンフィールドをホーム球場としては認めないので他の球場を探せとNPBに言われてもファイターズは素直に従うしかない。日本でプロ野球の興行をするなら日本のルールに従うのは当然だからである。ただ、その一方でtthg的には本件の当事者は可哀想だなと思う。なぜかというと日本とアメリカで野球規則に微妙な違いがあるからだ。
下記の記事によれば今回の設計を担当した会社はアメリカで球場の設計をしている会社との事だ。そして、日本では必要とされるファウルグラウンドの大きさはアメリカでは「推奨」となっている。言わばアメリカの規則上は努力義務的な規定で従わなくても何も言われない。
11月8日、プロ野球界に大きな衝撃が走った。日本ハムが北海道北広島市に建設中の新球場「エスコンフィールド北海道」が、公認野球規則に定... 物議を醸す日本ハム新球場「ファウルゾーンの広さ」問題。事の発端は野球規則の“解... - THE DIGEST |
勿論、日本のルールは確認すべきだが、日本の野球規則はアメリカのそれの翻訳がベースなのでアメリカの会社が確認する時は英語版を見るのが普通である。翻訳の場合は誤訳の可能性を考え「翻訳された側の言語」を確認するべきであり、その逆はない。本件で「翻訳された側の言語」は英語であり、それを確認したら日本語を確認する必要はない。ただし、今回は翻訳のようでいてオリジナルというトラップみたいな規則であり、その事をアメリカの会社に気付けというのは酷である。
そのため日本側の誰かが、「日本の野球規則はオリジナルであり、アメリカのそれとは違う事」を説明した上で、日本に置けるフィールドの細かい規則をレクチャーする必要があった。だが、こんなマニアックな知識を日本側担当者が把握しておけというのもなかなか酷な話だ。例えば、アメリカ憲法と日本国憲法は同じ「憲法」という名前を持つ法律だが、中身が別物である事は日本国憲法の英語訳とアメリカ憲法を比べれば一目瞭然である。一見すると翻訳だが細かい点が日本と世界で違う規則などというのは、世界を探しても稀な話である。野球界にいてもその違いを把握してアメリカでの球場のファウルゾーンが日本の基準より狭い事が一般的という知識のある者がどれだけ存在するのか。
ただし、発注側は相手方の提示する図面が出てきた時に野球規則に照らし合わせて修正する必要はあった。その意味では批判はされるべきというのは分からなくはない。だが、発注側は日本ハムとファイターズの出資する法人であり、現場は野球場を作るという点では経験値のない者が殆どであったと推測される。それに対して受注側はアメリカで実績のある会社となれば「よもや野球規則に抵触する球場を作る」とは想像できない。例えば、日本ハムが何かの建物をゼネコンに発注して出てきた図面を「建築基準法違反の図面であるかもしれない」などと疑うかと言えば普通はノーである。
正直、形式的には「あり得ない」レベルのミスだが、日米の野球規則がトラップなので、自分が現場にいて気付けと言われると相当厳しい案件に感じる。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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