記録以上に記憶に残る鈴木健氏の思い出

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今晩は、娘の発熱(検査の結果コロナではなかった)で在宅勤務だったtthgです。

今日はライオンズOBの中でtthgが深い思い入れのある「鈴木健氏」の話をしたい。鈴木氏は今もライオンズ戦の中継で解説をされているのでおなじみという方も多いだろう。正直鈴木氏は歴代ライオンズの中でチームの中心選手ではあったが、「スター選手か?」と問われると微妙である。例えばAK砲などは間違いなくコア中のコアだが、そのレベルの選手かというとそうではない。しかし、tthgの記憶の中では清原氏や秋山氏勝るとも劣らない存在感がある。




その理由は、一言で言うならば「話題が豊富な選手」だからである。入団当初鈴木氏の守れるサード、ファーストDHには石毛氏、清原氏、デストラーデ氏という絶大なレギュラーが居た。また鈴木氏は守備力に難があった(とされている。UZRとかまでは昔の話なので不明。)のでレギュラーは遠い道のりだった。しかし、代打や控えの立場でも若い時からファンの心に残る活躍をしていた。

例えば、91年の日本シリーズの第7戦に石毛氏をショートで使ってまでスタメンに抜擢され、5回に貴重な同点タイムリーを放っている。92年の日本シリーズの第6戦の6回に代打で一時逆転となるスリーラン。93年は第5戦の9回に代打満塁ホームランなど貴重な活躍がある。

ただ、この時点でもまだ確固たるレギュラーではなく、外国人との併用が続き、基本DH起用だった。初の規定打席は95年だったし、ほぼほぼ全試合出るレギュラーになったのは97年だった。この97年は黄金時代野手の中心だった清原氏がFA流出し、優勝など夢のまた夢に思われたが、代役として4番に座った鈴木氏が素晴らしい活躍をして優勝した。長距離砲がマルチネス氏しかいなかったこのチームにおいて19本塁打94打点を叩き出した鈴木氏の活躍は間違いなく優勝の原動力であり、ライオンズ時代の鈴木氏のベストシーズンだった。

黄金期に一瞬の輝きを見せるもレギュラーの厚い壁に阻まれて控えの身だった選手が、黄金期のチーム解体後4番を務め「古豪の意地」を見せる事に貢献するというストーリーは中々面白い。一般的にありがちなのは「機会さえ与えてくれれば活躍できる」とたかをくくっていても「いざやってみると先輩の偉大さを実感する」というストーリーだが、鈴木氏は世代交代して後進が先輩に勝るとも劣らない活躍をして見せた。tthg的には、チームが弱体化する流れを一時的に喰いとめた97年のチームに、黄金時代の強さのDNAを感じる鈴木氏の活躍があった事は救いだった。(ある意味tthgがライオンズに興味関心を持ち続けたのは、97年あたりで致命的に弱くならなかったことも一因である。)

ただ、次年度以降緩やかな下降線を辿りだした鈴木氏は02年にはOPSで.684と最大の売りの打撃でもレギュラークラスからはほど遠い存在になっていた。既に32歳で終わったように思われたが、2003年にスワローズに移籍すると135試合の出場で打率.317(5位)、20本塁打、95打点の活躍でOPSも全盛期に匹敵する.909を叩き出す。ここでもまた鮮烈な光を放って07年まで現役を続けることになった。

入団以来ずっと活躍をした選手ではなかったが、山あり谷ありの鈴木氏のプロ生活はいろんなところでドラマがある。他にも93年の日本シリーズの分水嶺となった第5戦の8回の飯田氏の捕殺は、鈴木氏のヒットがあったから生まれたプレーだった。94年の日本シリーズでも第2戦にシリーズの分水嶺になった屋敷氏の捕殺も鈴木氏のヒットが起点のプレーだった。いずれも守備の名場面だが、鈴木氏の「ここぞの場面」でヒットを打てる技術があったから生まれた名場面でもある。97年はリーグ優勝を決めたのは鈴木氏のサヨナラホームランだった。

当時の時代背景と本人の「ここぞの場面で打てるスター性」、継続性に若干かける成績などが相まってtthg的には強烈な印象を残してくれた選手である。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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