おはようございます。暗澹たる気持ちのtthgです。
朝から大変心配なニュースが飛び込んできた。ライオンズが三軍を廃止して二軍に統合するとのことである。下記の記事によれば、「イースタン・リーグなどの試合に帯同せず実戦経験が少ない選手を、2軍で強化していくことで、チーム全体の底上げを図っていく」とのことである。
西武が現行の3軍制度を2軍に統合することが29日、分かった。19年オフに若手育成の場として新設した3軍の名称はなくなる。ただ球団の育成に重点を置く方針は変わら… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com) 西武が3軍制度を2軍に統合 田辺徳雄、嶋重宣両コーチが配置転換 - プロ野球 : ... - nikkansports.com |
この説明はいかにも苦しい。三軍の選手がイースタンでの試合は少なくなるのは自明の事である。まず実践の前に体力や基礎技術を作り、関東の大学や独立リーグを中心に三軍独自の試合を設定して強化を図る事で育成の層を厚くすることが三軍の目指す方向性であったはずだ。イースタンの試合はその先にあるべきものだ。三軍が二軍とは別組織に整備されれば、三軍がイースタンの試合を利用すべきは二軍選手の一軍昇格により、二軍の試合に穴が空いた時など限定的になるのが普通である。
三軍が二軍とは独立して動く程度の規模に整備されなければ、対外試合ができないのでその育成効果は限定的になる。本来そこを目指して整備されたはずなのに、たった2年で三軍を放棄し、多少育成選手が増えただけの元の体制に戻してしまった。この理由本当にが「イースタンの試合経験」なのだとしたら、あまりにお粗末である。
だが、そんな事はライオンズフロントも百も承知である。だからそれが本音とは考えにくい。あり得る目的は財政的な理由である。三軍独自の試合をしようと思ったら費用がかかる。まず人数をそろえなくてはならないし、コーチ以下他のスタッフを雇う費用や遠征費も多少なりとも発生する。そういった維持費を確保することが現状の財務状況では厳しいという理由であれば納得できる。
それでも三軍運営費用はFA戦線にうって出て浅村選手に単年9億とか払うよりは安い。(元ソフトバンクの小林至氏が書いた下記の記事によれば三軍の運営費年間3億程)
【小林至教授のよくわかる「パ高セ低」(5)】 育成契約は非情か?3軍は過酷か? 運営費は年間3億円、同額の外国人選手1人と... - イザ! |
にも拘わらず、その三軍費用すら出せないとするならば、これはかなりライオンズの財務状況は厳しいと判断せざる得ない。そして、未来のライオンズのチーム力強化の道は狭くなったと言えよう。更に言えば、もっと短期的な影響として今オフの補強が非常に限定的なものになる懸念がある。下記の記事で支配下枠が余っている事について言及し、「外国人4人と戦力外から二軍ローテ要員(フロント的には戦力)を補充する」と予想した。
しかし、育成を全員イースタンで使うなら二軍の試合をするには困らない。外人を4人とれば、三軍制度導入前より増えているぐらいである。そう考えると、「戦力外から二軍ローテ要員(フロント的には戦力)を補充」すらせず、その分は育成で賄うという可能性が出てきた。更には外国人を1軍外国人枠よりもたくさん取って競争させるどころか、一軍外国人枠すら余すぐらいの事も考えられる。
このニュースは相当厳しい現実を突きつけている。正直誤報でしたというニュースが流れる事を期待したいぐらいである。
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