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鈴木大地選手と後任マリーンズショートの成績に見るコンバートの難しさ

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今晩は。ライオンズ以外も興味があるtthgです。

まず、最初にお断りしておくと、この記事はマリーンズの事情に詳しくないライオンズファンが数字だけを見て書いている。「当時のマリーンズの状況からすると頓珍漢だ」という事があればツイッター(@tthg1994)にて是非ご指摘頂きたい。

本日の記事は、tthgが2021プロ野球オール写真選手名鑑(日本スポーツ企画出版社)の鈴木大地選手の成績を見ていて「マリーンズはなぜ彼をショートからコンバートしたのか?」と思ったことがきっかけである。鈴木選手は2016年以降OPSで.745以上をすべての年で記録している。.745自体は決して最上級ではないが、ショートというくくりで言えば上位である。例えば、2016のパのショートのOPSは下記のような状況だった。(以下データは2017~2021年のプロ野球オール写真選手名鑑(日本スポーツ企画出版社)による。)

ファイターズ中島選手:.601
ホークス今宮選手:.682
ライオンズ:所沢遊撃隊
イーグルス茂木選手:.738
バファローズ安達選手:.667

ショートというくくりで言えば鈴木選手のOPS.745はトップなのである。だが、マリーンズは2017年に鈴木選手をセカンドにコンバートした。理由はUZR-10.9という守備の悪さだった。


ショートは守備が大事なので守れる選手という発想は悪くないのだが、問題は後任のショートの体たらくである。そもそも守備を良くしようとしたたのに守備が良くない。しかも打てない。2017以降マリーンズの主要ショートのUZRとOPS下記のようになる。

UZR
2017:三木選手-5.9、平沢選手-7.1
2018:藤岡選手-10.7
2019:藤岡選手-8.7、三木選手-4.9
2020:藤岡選手-11.5

OPS
2017:三木選手.591、平沢選手.458
2018:藤岡選手.599
2019:藤岡選手.658、三木選手.556
2020:藤岡選手.624

これではコンバートした意味が分からない。2017年当時の事情として前年セカンドのナバーロ選手が抜けて、セカンドを穴埋めするのに鈴木選手のコンバートは都合が良かったというのはあるだろう。期待のドラ1平沢選手がいたというのもある。また、平沢選手を取った2015年時に、鈴木選手の.OPSが.695と低下していたから平沢選手を取ったという面も大きい。

ところが平沢選手を育成していた2016年に鈴木選手が打撃面では好調でショートではトップのOPSを記録してしまう。ここで打撃と守備の総合評価でコンバートを考えるべきだったのではないだろうか。2016年のWARという選手の総合評価をしめす指標で各球団のショートを見ると下記のようになる。

ファイターズ中島選手:3.5
バファローズ安達選手:3.4
イーグルス茂木選手:2.1
ホークス今宮選手:0.8
ライオンズ鬼崎選手:0.9,呉選手-0.7

肝心の鈴木選手は2.7であり、守備のマイナスを加味してもリーグ3位のショートだった。鈴木選手の守備の悪さは問題だとしても、リーグ全体の中で見たときに必ずしもマリーンズのショートは最優先で替えるべき状況にはなかった。鈴木選手の打撃は2017年以降も安定していて2019シーズンには.826というOPSを出している。この鈴木選手がマリーンズのショートで出ていたらチーム成績が変わっていたのではないだろうか。

勿論、鈴木選手をセカンドにコンバートした後に中村選手がセカンドで定着したり、サードにレアード選手を取れるということは予見できない未来だったというのは確かである。ただ、平沢選手の技量を見誤っていたという点は大きな問題である。(しかも急遽取った藤岡選手も守備でも攻撃でも2017年の鈴木選手に遠く及ばなかった。)

仮に平沢選手の技量を正しく見積もっていれば、ショートはとりあえず鈴木選手、セカンドは中村選手を育成という選択がありえた。それを継続していれば、2019は以下布陣で戦う事が出来た。

サード:レアード選手
ショート:鈴木選手
セカンド:中村選手
ファースト:井上選手

マーティン選手が加入したシーズン後半は清田選手と角中選手が併用だったが、ショート鈴木選手で戦えれば、この年UZRで-8.8の悪い角中選手をDHで起用することもできた。これなら2ゲーム差だったイーグルスを捉えてプレーオフぐらい行けたのでは?と想像してしまう。そして、なにより便利屋起用が一つの原因であった鈴木選手FA移籍という自体を避けられた可能性もある。(最も移籍先も便利屋確定だったイーグルスなので絶対回避できたとは言わない。だたし、不動のショートだったら「チームから大切にされている」という気持ちにはなったはずで回避可能性は上がったとtthgは見ている。)

後任の体たらくやコンバート先の選手の成長や補強を見るに鈴木選手のコンバートはもったいなかった。勿論これは結果論の面はある。しかし、コンバートとはすれば良いというものではなく、「チームトータルとしてプラスなのか」という点は真剣に考えなくてはいけない。後任の目途もないのにコンバートをすると悲惨なことになるという事例が鈴木選手のコンバートの教訓ではないだろうか。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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