X

パリーグが強い理由はDH制ではない。

この記事はプロモーションが含まれています。

おはようございます。パリーグ大好きtthgです。

今年も大方交流戦がおわった。交流戦になると毎年のようにパリーグが強い理由探しが行われる。そして、常にその理由として挙げられるのがDH制である。しかしtthg的にはどうもしっくりこない。一つ理由は交流戦初期はセパが拮抗していたことだ。詳しくはこちらをご覧頂きたいが05-09年までは2007年のパが74-66で勝ち越した以外は拮抗している。DH制が原因でパが強いなら初期からパが圧倒するはずであるがそうはなっていない。

もう一つは90年代の日本シリーズである。90年代からDH制もあったが、日本シリーズの勝敗はライオンズ圧勝した90年を除いて下記の通り拮抗している。

・90年:西武4-巨人0(パ勝利)
・91年:西武4-広島3(パ勝利)
・92年:西武4-ヤクルト3(パ勝利)
・93年:ヤクルト4-西武3(セ勝利)
・94年:巨人4-西武2(セ勝利)
・95年:ヤクルト4-オリックス1(セ勝利)
・96年:オリックス4-巨人1(パ勝利)
・97年:ヤクルト4-西武1(セ勝利)
・98年:横浜4-西武2(セ勝利)
・99年:ダイエー4-中日1(パ勝利)

シリーズ全体としては5-5で五分。各シリーズの勝利数を積み上げてもパ28勝セ28勝の五分。日本シリーズはトップチームのみの対戦なので総合力を問われる交流戦とは性質は違うが、10年やって全くの5分であるならば残りのチームが戦ってもパの圧勝という結果は想像しにくい。90年代から真剣に野球を観ているファンならば数字以外の部分でもパが圧倒的に強いという印象はないだろう。

tthg的には大きな要因は下記の二つだと考えている。
・パリーグの各球団の経営改革
・巨人戦の視聴率低迷とネット配信

まずは経営改革について。交流戦は近鉄の消滅という事態が起こり、球界全体で「球団経営」がクローズアップされたことで始まった。特に消滅球団が所属していたパリーグは本気で経営を考えるようになった。その中で楽天、ロッテ、日本ハム、ソフトバンクといったパリーグの各球団は「集客」という点に非常に強い関心があり本気で努力していた。それが実り、だんだん集客力を上げていき「スタンドで流しソーメン」という状況は完全に過去のものになった。満員ファンの期待を背負うことは重圧だがパワーにもなる。少なくと「スタンドで流しソーメン」よりは確実に強くなる。(*「スタンドで流しソーメン」をご存じない方はこちらをどうぞ。)

次に巨人戦の視聴率の低迷とネット配信。90年代までは、映像をリアルタイムで視聴できるのは地上波の巨人戦だけだった。そのためドラフトにかかる選手たちのなかでは希望球団に巨人>在京セ>その他セ>パという明確な序列があった。そのためドラフトでパの球団が指名しても拒否ということがしばしばあった。93年に導入された逆指名制度はそれに拍車をかけドラフトの超目玉はとりあえず巨人みたいな状況だった。逆指名や拒否だけでなく、セを希望する選手達にはそもそも指名すらできずに才能がセに流れるという傾向が確実に存在する時代だった。

それが00年代になると巨人戦の視聴率は低迷し、ネットやCSに視聴方法が移行したことで指名拒否を恐れずパの球団が自由に指名できるようになった。裏金問題で逆指名制も廃止されたのでそのハンデもなくなった。経営改革によって満員のファンが詰めかける球場で試合できるようになったことで、「人気球団に行きたい」という観点からもパが選択肢として浮上した。

もともと、ドラフト指名に制約があったパの球団はスカウトも掘り出し物を探すことが必要だったし、才能の劣る選手を鍛えて一流にするためのノウハウも蓄積されていた。そこにドラフト指名の制約がなくなったことで入ってきた才能がマッチして強くなった。それが真相ではないだろうか。そう考えるとパが極端に勝つようになったのが2010年以降であることも説明がつくし、セで一番パ的な立場にいた広島が今強いのも納得がいくというものである。

08年にはパの経営改革の効果が如実に表れ1千万人単位で観客動員が増えている。(ちなみに04年までは観客動員は水増しが行われていたのであてにならない。)
パリーグ観客動員推移


tthg的にはこのあたりでセパの人気という面からの明確な差異はなくなりつつあったように思う。そう考えると数字的にも上記の仮説はある程度説得力を持つ。

これが絶対の正解とは言わないが、DH制よりは説得力がある思っている。

本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

ライオンズに関する他の人気ブログはこちら。

にほんブログ村
プロ野球に関する他の人気ブログはこちら

にほんブログ村

Xでフォロー

tthg: