おはようございます。今日のホークス戦の勝利を信じてやまないtthgです。
先日の開幕三連戦を見ながら、セイバーメトリクスでは語り切れない作戦の妙があるのでは?という思いを強くした。例えば、先日の記事で紹介したが、開幕2戦目の9回に金子選手が1塁走者で打者秋山選手で相手投手が金子選手の盗塁を警戒するあまり、単調になって長打で一点という場面があった。こういうケースでは、金子選手が「これまで沢山盗塁に成功してきた」という事実が見えない力となっている。盗塁という作戦について「盗塁を企図した場面」だけを切り取って考えた場合正確な評価にはならない。そしてこうした見えない力は数値化するのが難しい。盗塁成功数がどれだけ投球に影響するかはデジタルデータには表現しずらい。また、投球への影響があっても打者がどれだけそれを活かせるのかという問題もある。秋山選手ぐらいバットコントロールに長けたタイプにとっては球種が限定される効果は非常に大きい。しかし、例えば永江選手や熊代選手だった場合、球種限定の効果が同じとはならないだろう。こうした点までセイバーは数値化できているのだろうか。
また、開幕3戦目に源田選手が散々粘ったあげくタイムリーをさそったという場面があった。このヒットは明らかに普通のヒットより相手を消耗させる。球数を消費させられた上で、点まで入ったら、投手の精神的動揺は確実にある。しかし、その影響度をデジタルで評価するのは難しい。例えばOPSはこのヒットを正当に評価していない。このヒットはOPS的には単なる単打でしかなく、ホームランや長打よりは低い評価になる。しかし、この一本のヒットはランナーなしの場面におけるホームランより「次打者のにつながる」という意味で確実に価値がある。
開幕三連戦とは離れるが。黄金時代に数は少なかったが、清原氏やデストラーデ氏が相手バッテリーが無警戒という隙をついて盗塁に成功するという場面があった。この盗塁は普通の盗塁とはおなじ評価はできない。無警戒ゆえに失敗するリスクが極めて少ないからだ。しかし、データには「無警戒ゆえの盗塁」などという項目はなく、マクロの視点では通常の盗塁と同じ失敗確率があるという前提の下で評価されてしまう。
マクロデータで評価が難しい「人の心理状態」や「ミクロの視点でしか効果が見えてこない作戦」を現場で野球を見て発見ことが本当の作戦参謀の役割である。
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