黄金時代ライオンズのバントは本当に愚策だったのか。

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今晩はtthgです。今年最後の更新は黄金時代におけるバントの有効性についてです。

以前もバントについて意見を述べたが、今回はライオンズの黄金期に限定してバントが有効な戦術であったかという観点から検討したい。ご存知の方も多いと思うが、森監督が指揮を執っていた黄金時代のライオンズはバントを多用するチームだった。当時はそれが強さの秘訣としてされていたし、黄金時代の末期にはファイターズの大沢監督から「西武の野球はバントばかりでつまらない」という発言があるなど、批判の対象となっていた。

今では、セイバーメトリクスの登場によりバントは損な戦術という評価が定説となっているが、果たしてバントが有効な状況というのは本当にないのだろうか。もしそうだとしたら、攻撃面において損な選択を続けたチームが9年間で8度のリーグ優勝という成績を収めたという事実をどう評価するのか。しかも、ここ30年間で同等成績を残したチームはいない。セイバーメトリクスの本質は統計学だから試行回数が多ければ、統計的に損な選択をし続けて勝ち続けることはないはずだが、間違った作戦を選択したライオンズがプロ野球史上でも最高に近い成績をのこしている。だとすれば、バントは損という結論が間違っている。あるいはマクロのデータでは損でも、黄金時代ライオンズには「バントが得」な状況が存在したと考えるほうが自然な発想だ。

tthgは以下の4つの点で黄金時代のライオンズが、統計学的標準と違った状況だったために「バント得」な状況が発生していたと考えている。
①投手力
②守備力
③バント成功率
④打撃力
以下上記4点について詳しく説明したい。

①投手力
黄金時代ライオンズは、非常に投手力に優れるチームだった。渡辺現SD、工藤現ホークス監督、郭泰源さんの3枚を軸に、東尾さん、松沼博久さん、石井丈裕さん、渡辺智男さん、森山良二さんなどが入れ替わりながら、常に二桁勝てる投手が3-4枚確実にそろうという豪華な投手陣だった。今では信じられない話だが、黄金時代前半は先発完投が当たり前で、救援などあまり必要でなかった。また後半は潮崎現2軍監督や、今巨人のGMをしている鹿取さんが後ろを締めていたのでさらに盤石だった。(最近のように分業制が未発達だったから2枚の抑えでも長所だった。)投手力が優れていれば、少ない点差で勝てるので、バントの有効性も平均よりは高かったと推測される。

②守備力
黄金時代ライオンズは、投手以外の守備力においても定評があった。外野の、秋山さん、吉竹さん、西岡さん、平野さん、笘篠さんあたりの守備力は相当なものだったし、辻監督や石毛さんも内野で名手だった。UZRなどの指標をだせば、相当高い数字だっただろう。上記の投手力と共に、この守備力を加えた場合に、ライオンズの失点を防ぐ力は抜群に高かったはずであり、それもバントの有効性を高める要因になる。

③バント成功率
今の野球中継を見ていると、プロでもバントをすぐ失敗する。しかし、黄金時代ライオンズのバント成功率は相当高った。バント失敗で悔しい思いをするのは相当すくなかったと記憶している。バント成功率が5割の打者にバントさせるより、バント成功率9割の打者にバントさせる方が勝率が高いのは自明の理であるが、そうした観点から場合分けした時、バントが有効なケースがあり得る。試しに当時のライオンズのバント成功率を算出して、それと同等の成功率の打者にバント企図させた時と強打させた時の勝率を算出してほしい。きっと有意な差が出るはずだ。

④打撃力
当時のライオンズは、超のつく重量打線というわけではなかったが、下位打線も穴のない打線だった。一番打撃が悪いほうの伊東さんあたりでも2割5分又は10本塁打ぐらいは打っていた。本当に打撃が全くダメでアウトが確実にとれるレベルの打者は87-88に準レギュラーだった清家さんぐらいである。そして、下位打線の各打者はエンドラン、盗塁、四死球などによって細かくつないで点を取る能力に長けていた。つまり、バントで送ってヒットで一点という典型的な点の取り方をしてそれで終わりではなく、その後の1死1塁や2死1塁からもこつこつと点を取れる打線だった。バントの一番の短所は大量点がとりにくいという点だが、バントをしても2-3点とれる可能性が高い打線だったからバントの短所を克服していた可能性が考えられる。

これらはどれも、推測の域をでないので、統計学的に処理するとtthgの推測が単なる印象に過ぎないという可能性もあるが、しっかり検証すべき推論であることは間違いないはずだ。理想は上記の点で全て同じ条件のチームが全くバントをしないで戦った場合と比較しいところだが、現実そんなデータはとりようがないので、各要素に細分化して検証することは可能だろう。例えば、チーム全体の一年間のFIPなどが黄金時代のライオンズ同等のチームが、1-3回にノーアウトのランナーを送らずに強行した場合の勝率と、バント企図場合の勝率を比べてみてはどうだろうか。そこでバント企図した場合のほうが勝率が高ければ、①の推論の信ぴょう性がかなり高くなる。それにUZRなどの守備指標が同等の場合であればなお良い。

tthgはこうした資料を持ち合わせていないので検証できないが、データを持っている方がいたら是非検証して欲しい。

それでは、皆様良いお年を。

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