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ライオンズにとって今年は黄金時代の遺産を活かす最後のチャンス

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今晩は。久しぶりに雪を見たtthgです。

東尾修氏、伊東勤氏、渡辺久信GM、秋山幸二氏、工藤公康氏、辻発彦監督。これらのメンバーの共通点は西武黄金時代の主力であり、引退後監督としてリーグ優勝を成し遂げたという事である。ここ30年でこのこんなチームは他に存在しない。同じチームで現役生活を送ったという意味ではジャイアンツ原監督と落合氏が一応存在するが、彼らが同チームだったのは非常に短期間でそのチームが彼等の監督としての礎になったという理解は難しい。スワローズの高津監督と真中氏のコンビも存在するが、やはり黄金期ライオンズからでた優勝監督の数に比べると存在感は薄い。



黄金期ライオンズの主力だからと言って監督として全員が成功するわけでもない。例えば当時1番監督にむいていそうだった石毛氏は全く結果を残せなかった。田邊コーチも監督としてはダメダメだった。潮崎氏は次期監督のレールが引かれたが、監督になる事すら出来なかった。また、優勝監督が名将と言われるべきかは微妙である。各監督共に采配に批判の声もあったし、黄金時代ほどの結果を残せていない者も多い。

だが、「常に勝ち続けたチームに居た」という点は監督としてアドバンテージだったtthgは考えている。勝ち続けるにはそれなりに根拠があり、他チームとは違う事をやっているから勝てるのである。それは戦力そのもの多寡よりも「チームカルチャー」を作れるかどうかという点で違いが現れる。

例えば、工藤氏、秋山氏は現役時代にホークスに同時期に移籍し、ライオンズ出身のフロントの寝技師根本氏、巨人のv9時代に勝ち続けたチームで主力だった王氏と共に「負け犬根性の染みついた」弱小ホークスを常勝軍団になるための礎を築いた事は有名な話である。その後彼等が「勝てるチーム」になったホークスを引き継いで2010年代の「強いホークス」が実現した。

ホークスはただお金持ちだから勝ったのではなく、「勝った事のある人材がチームカルチャーを変える」という確かな戦略の下に作られたチームなのである。(そもそもダイエー時代は2000年初頭には親会社がお金的に怪しかった。)



これらの事例は、少なくともチームを強くする上で「勝った事がある」という事は大きなアドバンテージである事を示している。少なくとも彼等は「勝っていたチーム」と「今のチーム」を比較して何が足りないかという物差しを持っている。勿論時代背景とのアジャストは必要だが、物差しがないよりあった方が、正解に辿り着く時間は短くなる。

下記の記事に就任初年度優勝監督のリストがあるが、2000年以降就任初年度優勝監督は9人(記事の時点では今年の中嶋監督が抜けている。)しかいないが、その内3人(伊東氏、渡辺GM、工藤氏)が黄金期ライオンズ出身である。これは彼等が「勝てるチームの物差し」を持っていたか否かという点に無関係ではなかろう。
https://baseballking.jp/ns/214144

辻監督就任初年度の報を聞いた時tthgの第一感は「黄金時代の遺産を利用して勝つチームになる最後のチャンスだな」というものだった。もう黄金時代戦士も指導者としてもリタイアする年齢層になってきた。次期監督は松井ヘッドが濃厚なので現実的に「強かったチームを知っている」アドバンテージはなくなってしまう。そういう意味では今年は、黄金時代の遺産で勝てるチームへの礎を築く最後のチャンスである。なんとかここで最後のチャンスを活かして勝てるチームへの礎を築いて欲しい。そのためには最低今年日本一が必要である。(優勝だけでは「日本一を狙う」という理由でフロントが既定路線を押し進める懸念があるので。)

追伸:今年ボロボロの成績で松井ヘッドにも一応責任を取らせるために二軍監督に降格して、金もないので「監督だけでも話題を振り撒いとけ」となり、松井監督までのつなぎとして「清原和博」という禁断の果実に手を出した場合は別。個人的には今年3-4位で松井監督よりはコッチのほうが好ましい。99.9%あり得ないけど。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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