今晩は。NPBの画像解析力に疑問を持つtthgです。
昨日のイーグルス戦の8回にビデオ判定の結果、田中選手の三塁ゴロが安打となる場面があった。ビデオ判定の根拠となる映像はパリーグTVでも公開されていたが、正直微妙な判定だった。少し詳細に説明すると、一塁山川選手のミットにボールが収まったと思われる瞬間、田中選手のつま先はベースについておらず、かかとがついているかいないか不明という映像だった。しかも公開映像はtthgが録画のスロー映像を細かく一時停止やっと詳細が分かるレベルの映像だ。少なくとも公開された映像のスロー再生だけでは逆の判断をしても致し方ない状況だった。
現状の映像のみを判断の根拠するなら、スロー再生の映像を細かく区切って連続写真のように画素化したうえで、一枚一枚を画像解析して決定的瞬間を探し出す作業が必要だ。今回の判定では山川選手のミットにボールが収まった瞬間はいつなのかを特定したうえで、その瞬間の田中選手の足の位置を拡大表示して解析しないと正確な判定は難しい。
しかし、このレベルの画像解析を、5分以内にできる機材と技術者を常時配置するとしたら、コストがかかってしかたがない。また時間的余裕のない中での解析は技術者に相当の負担を強いた上で、試合の行方を決定的に左右する判定をゆだねるという理不尽な要求をすることになる。それは、あまりにも無茶な話だ。
しかし、これぐらいやらないと、今の時代混乱の元である。ネット上には画像解析が得意な野球ファンもたくさんいるし、高性能なPCを使って個人である程度のことができてしまう。微妙なスロー映像を根拠に判定した結果、ネット上に反対の結果を示す画像が出回ったりしたらその混乱は非常に多きい。
tthg的には、今のビデオ判定については、明らかな誤審を防ぐという目的にのみ使うべきだと思う。スロー映像を見ても瞬時に誤審と分かるレベルのもの以外は現判定を変えないという暫定的な運用なら、5分という時間の範囲では結論がでないほど微妙なケースだったと諦めもつく。現状ビデオ判定さえすれば全て完璧なジャッジができるという幻想があるように思うが、今の中継映像だけでは完璧なジャッジなど望めない。そのことを選手、監督、チーム、ファン、審判、NPBという当事者が納得しないまま、ビデオ判定の拡大して運用するのは、かえって混乱を招く危険があると言わざる負えない。
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