Sinndarさんからご指摘のあったサラリーキャップの問題点に対するtthg的解決策提案。
今晩は。GMの熱意と監督の涙が奇跡を起こすと信じたいtthgです。
昨日「ドラフト権のトレード」について書くと言ったが、昨日の記事へいつもお世話になっているSinndarさんから大変有意義なご指摘を頂いたので今日はその指摘を踏まえて昨日の記事を更に良いものにしたいと思う。
まず、Sinndarさんのご指摘は大体以下の通り
・短期FAによるMLB流出リスクの対応
・サラリーキャップへ反対している選手会の対応
・年俸上限と下限の設定の仕方
詳しくは下記のtweetを参照頂きたい。
拝見しました。ご提案のサラリーキャップ制度を用いて、FA選手を獲得するときに上限を超えたオファーができないなどを決めれば、今のような高騰ムードは低減できると思います。ただし、NFLのような完全サラリーキャップ制は共産主義的な感じでMLBとの格差が広がると選手会から反対されています。
— sinndar2000 (@sinndarDerby) November 14, 2018
選手から見ると年棒抑制の懸念がありますから、選手会を納得させる制度が必要です。NBAのように例外を認めていくことは必要ですが、MLBへ流れる選手がさらに増える可能性はありますので、その策も必要です。
また戦力均衡を図るには下限額の設定も必要であり、上限額と下限額の差をどこまで縮めて— sinndar2000 (@sinndarDerby) November 14, 2018
設定するかが課題です。できれば2倍以内には抑えたいです。NFLでは1.5倍差くらいでしょうか。今のNPBチーム総年棒では鷹が61億円、巨人が47億円、以下は下位のロッテや中日の22億円~阪神の35億円でこの間でも開きがあります。真ん中あたりの金額~下限額で22~33億円の範囲でしょうか。
— sinndar2000 (@sinndarDerby) November 14, 2018
ただし下限を底上げすると下位球団は苦しくなってきます。まあ導入に際しては色々と考えなければならないことは多いですが、戦力均衡にする対応は重要です。
なおブログでも書かれていた以前の記事の「やきゅつく」などゲームの世界でも使えるポイントの上限が決まっていてサラリーキャップのような— sinndar2000 (@sinndarDerby) November 14, 2018
さて、まず「短期FAによるMLB流出リスクの対応」について。この点は確かに短期的に増える懸念はある。ただ、イチロー選手等の世代からかなり時間が経過してだいぶ「相場観」が形成されつつある中で年俸10億レベルに到達できる者は限られている。だから、tthgは長期的には現状とそこまで変わらないレベルに落ち着くように考えている。ただ、万一外れた場合に備えて各球団がホークスのような育成システムに投資して掘り出し物を目利きできる力をつけておく必要はあるだろう。ホークスの育成システムの成功により日本にはまだ「眠れる才能」があることが証明されて。そこをちゃんと掘ってやればメジャーの穴は埋められる。
もう一つは外国人枠の撤廃ないし緩和が必要だろう。中日の成功やマイコラス投手のように日本で開花する外国人がいる事を考えた時日本野球の「育成力」は海外の若者にも魅力的だ。現状の外国人はマネーゲームし放題の状況だが、短期FAと引き換えに日本人と同じ扱いにしてやればそれも解決できる。「メジャーを夢見る若者」も十分メジャー流出を補完してくれるだろう。ただし、若者を「戦力」として考えるだけで使い捨てる考え方では欧州の移民政策のように失敗する。日本文化や球団に愛着を持ってもらえるよう配慮し「助っ人」から「純粋なチームの一員」に昇華させるような努力も併せて導入しないとダメである。
次に「サラリーキャップへ反対している選手会の対応」である。正直選手会の動向は知らなかったのでこのご指摘は本当にありがたかった。さて、対応策だが、tthgは基本的に「サラリーキャプは選手のためにある」と考えている。今の年棒高騰は正直「いつか来た道」である。ほんの15年前中村紀選手の5億で近鉄は破綻したことをみな忘れている。当時とはくらべものにならない程経営環境は良くなったが。このチキンレースはどこかで止めないと「第二の近鉄」が生まれかねない。そもそも今のチキンレースは「FAで他球団から声がかかることが確実な実績を持つ者」に著しく富が集中するシステムだ。中堅層の受ける利益は限定的で選手会の中にも不満のある者も多いだろう。
ならば、サラリーキャップを導入する代わりに、毎年数%はキャップ上限を上げることを約束したらどうか。これなら均等に給料が上昇するので急な経営破綻はない。一方各球団が責任をもって収益を上げないといずれ破綻するので経営努力をするはずだ。今のパリーグはどの球団も経営マインドは高く戦力均衡にして毎年のように上位が入れ替わり切磋琢磨する試合をみせれば毎年数%の成長は難しくないはずだ。そして、短期の自動FAと併せて実施すれば現状チキンレースの恩恵にあずかれない中堅の給料も自然と上がる。上位10%ぐらいの実績組以外はこちらのほうが現実的に賛成しやすい。
最後に「年俸上限と下限の設定の仕方」だが、これは各球団がまず「球団単体」の財務諸表を公開することがまず必要だ。特に球場使用料は自前球場を持つ球団とそうでない球団ではだいぶ違ってくるはずだが、そのあたりの数字が見えてこない。tthgは個人的にソフトバンクはヤフオクドームを買収したときの費用は球団の財務諸表に乗っていないのでは?と疑っている。球団が独立採算ならヤフオクドームの買収費用は「借金」という形で後年に影響が残るが、ソフトバンク本体にある現金を動かす或いは、ソフトバンク本体が有利子負債として計上しておけば球団の単年度の経営は黒字化しやすい。それば、札幌ドームの借料でくるしむ日本ハムの姿がある程度証明している。その辺の経常的な費用の積算がないと無理のない範囲の経営がどの程度なのか分からない。(tthgの調べた範囲では球団単体の収支を公表している球団はない。もしあれば教えてください。)
それが明らかになった上で、下限については過去5年間の合計年俸水準が上限の8割以上ぐらいに設定すべきと思っている。なぜ過去5年としたのは、翌年大物FAが控えている時に投資を抑制して翌年勝負という選択ができないと「サラリーキャップの枠を多く残すことが補強」という最大の利点が使えないからだ。また、球団に現実的な経営を補償する代わりに選手への還元は最大限努力してもらう必要がある。なのでどんなに低くても上限の8割ぐらいは選手のサラリーとして使ってもらう必要があると考えている。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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“Sinndarさんからご指摘のあったサラリーキャップの問題点に対するtthg的解決策提案。” に対して4件のコメントがあります。
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私はこの意見、賛成です
今の現状は、チームごとの年俸差がありすぎる。結局お金のいいところに選手は行く。チーム年俸を抑えることでFA現状も変わってくるだろうし。ただ時間はかかると思います
最後にネットで広岡達朗氏の記事見ました。全くその通りだと思いました。外様は要らない。自前で育てろ。太田泰示を育てられなかったのに。後者は私の知り合いの巨人ファンが、あれが最悪だったと言っていました。やっぱり自前ですね
ご指摘のとおり、制度改正は時間がかかると思います。ただ、それでも改革していかないといつか破綻します。そこをみながしっかり認識することが必要です。
広岡さんは最近結構際どい発言が多いですがこの件は良いと思います。90年代後半からFA漬けで育成をおろそかにしたつけを払っていると思います。
はじめまして
球団単体の決算ですが 【球団名 決算】
で検索すると決算公告が確認できます。
ホークスの場合、球場が球団所有になった
2015年から約700億円の固定負債が計上
されているみたいです。
情報ありがとうございます。勉強になりました。決算公告を見てサラリーギャップ案も改訂が必要そうです。近いうちに記事にして返信させて頂きます。