曖昧な基準によるレギュラー固定化は大きな代償を伴う 

今晩は。野球以外のスポーツも多少興味があるtthgです。

突然だが「キャバクラ組」という言葉をご存じだろうか。サッカーに興味がない人は全く知らない言葉だろうが、2004前後に日本代表サッカーを観ていた人には有名な言葉だ。2004年にサッカー日本代表の合宿時に、夜代表選士の一部がキャバクラに繰り出し乱痴気騒ぎをしたという事件があった。その時キャバクラに繰り出した選手たちを「キャバクラ組」と一部マスコミが揶揄したのである。

ところで、「組」などというやくざの世界のような言葉が使われたのには理由がある。当時日本代表についてホットな話題として「国内組」と「海外組」どちらを使うかという論争があった。「国内組」とはJリーグの選手、「海外組」とは主にヨーロッパのクラブチームに所属する選手のことである。当時、「海外組」は所属チームではほとんどの選手がレギュラーをとれず、試合勘という問題を抱えていた。そして、日本開催の代表戦では短期間のヨーロッパからの遠征で時差ボケとの戦いが重なり、代表戦でのパフォーマンスは不調の一言だった。しかし、時のジーコ監督はどんなに「海外組」の調子が悪くとも、レギュラーで起用し続けた。それに対して「国内組」を起用すべきという意見が飛び交っていた。だから、それをもじって「キャバクラ組」なる言葉が生まれたのである。

上記のような背景があり起こったキャバクラ事件だが、この「キャバクラ組」はすべて上記の「国内組」に属する選手だった。当時評論家のセルジオ越後さんがコラムで本件について「キャバクラ行くのは良くないけど、どんなにパフォーマンスが悪くても「海外組」を起用する采配を行ったジーコ監督にも責任がある」と書いていた。ようは、どんなに頑張っても試合に出られない国内組のストレスは相当なものでキャバクラにでも行きたくなる気持ちはわからんでもないということだ。

当時セルジオさんの意見も一理あると思ったのを覚えている。控えに回された選手が、レギュラーとの明確な実力差を認識できない状況で競争の余地すら与えられない環境に置かれた時チームに不協和音が産まれる。それが、キャバクラ事件の教訓だ。ちなみに、この海外組、国内組の論争は2006のW杯ドイツ大会の最後まで続き、史上最高の才能が集まったと言われる日本代表のW杯の予選敗退の一因となったとも言われている。

前置きが長くなったが、なぜこういうこと書いたかというと、辻監督が開幕戦のオーダーをほぼ公表したライオンズにも同様の問題の懸念があるからだ。いつも拝読しているsinndarが下記の記事かいているように、フジテレビTWOの番組で辻監督は開幕オーダーをほぼ公表した。
http://sinndar.muragon.com/entry/940.html
例えば、中村選手は開幕当確のようだが、OP戦好調だった栗山選手や松井選手からしたらなぜ?となってもおかしくない。DH決めかねているということだが、森選手からしたら、捕手で使われなくてもDHは自分のはずという自負もあるはずだ。外崎選手は7番だがOP戦のの成績を考えれば中村選手より上位であるべきではないか?という思いも有ろう。投手では、高木投手や武隈投手は開幕ローテから外れたが多和田投手よりはOP戦結果を出したという思いもあるはずだ。

今のライオンズは投手、打者ともに一部のレギュラーと控えの明確な差がないチームだからできるだけ競争をあおるほうが得策だ。それなのに、開幕戦限定とは言えオーダーを公表したことはあまり良くない。公表されたオーダーは、監督としてはあくまで開幕時の暫定評価という思いなのかもしれないが、選手からしたら「監督が現時点で考えている序列」という受け止めるほうが普通だ。 そして、この序列を見た選手がOP戦の結果は何だったのか?と選手が感じるとすれば、開幕戦後の競争環境があると選手が確信するまでの間多少なりとも調整のモチベーションに影響がある。

辻監督には、公表したオーダーはあくまで暫定のものであり、結果が出ない選手はすぐに変えるという明確なメッセージを発信して選手のモチベーションに悪影響がでないようにして欲しい。

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