2022年の田中将大投手は「エース格としては援護をもらっているのに勝てない」投手だった。

今晩は。tthgです。

Number Webで広尾晃氏が書いた「年俸4.25億円ダウンの田中将大…日本復帰の2年間は“不運な無援護”なだけで「一線級の先発」だった? 23年の逆襲に期待したいワケ」という記事が掲載された。

広尾氏的には「勝利数は偶然の産物である」という事が根底にあるようで田中投手が「イニングイーターである」という点を高く評価し、「一線級の先発」という評価をしている。それは一面の真実だとは思うが「“不運な無援護”なだけで「一線級の先発」だった」は流石に言い過ぎである。



例えば、2022年のパリーグ規定投球回到達投手でFIPという投手の純粋な能力を測ると言われている指標順に並べると下から三番目の3.46である。これは1位の山本投手の2.13からはするとかなり見劣る。

また、広尾氏記事の中でNPB各球団のエース級に比べてQSやHQS時の勝率が低い(つまり打線の援護が足りない)と指摘しているが、2022年パリーグの規定投球回到達投手(これは広尾氏が言うところの「エース級」とニアリーイコールである。)では田中投手のQS率は最下位の58.33%である。少なくとも2022年は「規定投球回到達投手」の中ではQS率が低く勝ちにくい投手だった。

打線の援護についても2022年は78点もらっており、失点は65(自責点ではなく登板時の総失点)との差が13点ある。これに対して貧打にあえいだライオンズの髙橋投手でさえ援護点57点に対して失点49で差が9点。しかし、勝敗は田中投手9勝12敗で髙橋投手が12勝8敗である。また、78点の援護は規定投球回到達者でトップの数字であり、援護率でも宮城投手の4.44に次ぐ第二2位の4.33である。

個別の試合を見ても、「これは援護がなさ過ぎてエースでも可哀想」という試合は5/24のタイガース戦の1-0と5/31のドラゴンズ戦の2-0ぐらいであり、2022年について「援護点が少なかった」は少々言い過ぎである。

いみじくも広尾氏が上記の記事で、2013年の渡米直前の田中投手は「田中はピンチになると「ギアチェンジ」で150km/h台後半の速球を、打者が手も足も出ない絶妙のコースにずばっと投げこんでいた。」と指摘したうえで「「ギアチェンジ」のすごみは以前ほどではなくなった。」と語っているが、まさにこれが答えである。今全盛期の山本投手にFIPで1点以上負け、FIPで同等の高橋投手(髙橋投手のFIPは3.35)と同等ないしそれ以上の援護をもらいながら、(髙橋投手は勝ち越しているのに)田中投手は負け越しである。

少なくとも、24-0というとんでもない数字を叩き出した2013年当時ほど「勝てる投手」ではない。当時はFIPでも2.26だったしQS率は100%だった。その時に比べれば勝つ確率の低い投手になったのは明らかだ。百歩ゆずって昨年の4勝9敗は「不運な無援護」といえるが、2022年についてそうは言い難い。むしろ規定投球回に達した他のエース格投手より援護をもらっているぐらいなのだから、「援護点をもらっているのに勝てない」が妥当な評価である。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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