鹿児島大法文学部榊原良太准教授の「野球における流れ否定論」への違和感

今晩は。流れ肯定派のtthgです。

下記の記事で鹿児島大法文学部准教授の榊原良太さんという方の野球における「流れ」の存在を否定する説が紹介されている。

榊原氏の主張としては09-18の夏の甲子園の無死一塁のケースをヒット由来と四球由来のものを比べて失点率に差がなかった(エラーについては失点が少なかった)事を根拠に流れを否定している。この説についてはのべつまくなしに四球やエラーを特別視するのは違うという意味では重要な指摘である。(ただし、エラーについては2020年12月12日放送の球辞苑にて2020年のプロ野球で1試合のエラーが1つ増えるごとに1割弱勝率が下がるというデータも出ており、流れとの関連が疑わしいデータもある。)



だが、榊原氏の主張に根本的な違和感を覚える点は別にある。それは「流れの影響は必ずしも結果に現れない」という点である。野球の結果のベースにあるのは実力差であり、流れが悪かろうが実力でカバーするケースもままある。例えば、高校野球では優勝狙う高校と出場自体が夢という高校が対戦して優勝狙う高校が多少流れを悪くしても勝つのである。プロでも山本由伸投手クラスが絶好調で体力的にも万全な序盤に四球出したからと言って失点しないケースもある。しかし、それが流れの存在を否定する論拠になるかは別問題である。

榊原氏も高校野球でエラー由来の無死一塁が、が四球とヒット由来の無死一塁に比べて失点が少ない理由について下記のように述べている。

ヒットや四球は上位打線で出やすい傾向にあるが、エラーはどこの打順でも起こるため

これは、下位打線のエラーは後続の打者の打力が弱いから失点にならないだけであって、「流れ自体は悪くなっても結果に現れないケース」とも捉える事ができる。逆に言えば、先頭9番打者のエラーが、先頭9番打者のヒットよりも失点しやすいかもしれない。仮にそうであればエラーの方が流れを悪くするという根拠になる。

もう一つ重要なのは試合展開である。序盤のエラーや四球は先発投手が元気なので流れを引き戻すような投球をして挽回できるケースもある。しかし、先発が多少疲れてきた僅差の中盤に先頭打者四球やエラーはtthgの体感としては影響が大きい。あるいは、四球も出すけど三振も多く、スタミナは化け物という全盛期の松坂投手みたいなタイプの時に先頭四球は大きな影響はでないが、メンタル的に不安の大きい渡邉勇太朗投手の時の先頭四球では全然結果も違ってくる。

また、無死一塁よりも一死三塁や一、三塁などもっと大きいピンチでの四球は投手にかかる負担も大きくなる。エラーにしても「これでスリーアウトでピンチを切り抜けた」と投手が安堵する打球の送球エラーと「記録はエラーだけど、状況的に仕方ない」と思えるイレギュラーなどは同列に扱う事はできない。

おそらく野球を現場でやっている人が「流れを悪くする」と感じる四球やエラーは全ての四球やエラーではないはずだ。こうした議論は数字はマクロしかないので、ミクロで差異があっても数字で証明する事は困難である。この議論は「例え、マクロで否定されてもミクロでその存在は否定されないかもしれない」という視点が大事であるとtthgは考えている。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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