プロ野球におけるレギュラーの育成の本質は専門バカからの脱却である。

今晩は。今日から夏休みのtthgです。

今日から夏休みだというのに試合を観ることができなかった。一休速報を確認したら本来先発の今井投手をランナー有りの場面で使って被弾が致命傷。先発型の投手を中継ぎで試すなら最低限ランナーなしの場面である。さて試合は観ることができなかったので、今日は育成の話でもしたい。何故かというとコロナ騒動で一躍有名になった西浦博氏の記事に(レギュラーの)育成の本質をよく教えてくれる記述を見つけたからだ。今日は西浦氏を題材にプロ野球における(レギュラーの)育成の本質を考えたい。

文春オンライン掲載の下記の記事によると西浦氏は以下のように発言している。

経済的な被害が少ないモデルを考えることは重要ですが、私は感染症対策の専門家です。経済を気にして流行を止められず、人が死ぬことを避けなければならないと考えています

この西浦氏の発言が彼が専門バカであり、「公共政策の分野において0点の人物である事」を明示している。彼はコロナ対策において「専門家」と思っているようだが、事実は違う。数理モデルによって「42万死ぬ可能性がある」と推論することは西浦氏の専門である保健学(彼の博士号)の範疇である。しかし「だから8割接触削減する」という政策を打つのは「公共政策」の範疇であり、彼の専門外である。公共政策においては、その政策に副作用がないのかという事まで考慮して政策を決定しなくてはいけない。8割接触削減が経済に甚大な影響を及ぼし得ることはマクロ経済学の基礎を勉強すれば自明のことであり、その影響評価をしないで政策を打とうとするのは「公共政策的には0点」である。

twitterなどに「医者が経済の事なんて知らなくて良い」という声が聞こえてくるが、それは純粋医学の時だけ通用する話であり、「8割接触削減」という政策評価には通用しない。そもそも医学の分野だって薬剤について「患者が良くなれば良いのだから、副作用の話なんか知らん」と言ったら誰も相手にしない。「8割接触削減」という政策を実施するにあたってその副作用である「経済の被害」について「気にしない」と言い切ることは「薬剤は目の前にいる患者に効けば良い、他のだれかに使ったときに副作用があっても市場に出して構わない」と言っているに等しい。そもそも42万の死者を1000人に減らしても経済でその後に100万人死者がでるかもしれない。少なくとも政策として実行するならば、経済という副作用の影響がどの程度あるのかということを考えるのは初歩である。



専門バカは公共政策では使い物にならない。例えそれが一時的に良い結果を生んでもそれは偶然であり、そういう人物を頼ってはいけない。これが西浦氏の発言から分かることである。ある意味これはプロ野球における育成の本質を教えてくれる。一番わかりやすいのはホークスの育成契約だろう。ホークスの育成出身は「足が速い」「球が速い」といった分かりやすい特徴のある選手が多い。千賀投手、甲斐捕手、周東選手といった選手がその代表である。しかし、その特徴となる武器があるだけなら、学問の世界で言えば専門バカなのであり、限られたフィールドでしか輝くことはできない。(もちろんトータルの能力を高めることが難しい場合に代走とか守備固めで職人として生きて行くことは一つの生き方である。)

しかし、プロの一流の選手になっていくためには学者で言えば専門外のことについて、野球で言えば武器となる特徴以外の部分を一定程度高めて行くことが大事になる。球が速くてもノーコンでは一流になれない。(例えば今井投手を想定してもらえるとわかりやすい。)外れるとしてもクソボールではなく惜しいところに外れるボールであれば次のボールへの布石としての意味を持つ。その程度のコントロールを身につけないと一流にはなれない。速さを活かすために緩い変化球でストライクを取れるコントロールを身につけることが重要である。いくら足が速くても塁に出る機会がなければ宝の持ち腐れなので打力を鍛える必要がある。どんなに守備が上手いとして打撃で守備以上にマイナスになるようでは使えない。

育成においては、自分の武器を磨く事はもちろんの事、それ以外の分野でもそれが一軍の試合に出る時に支障にならない程度に成長するよう導く事が大事である。昨今の捕手事情などを見るとあまりに打撃成績がひどすぎるケースが散見されるが、これは明らかに育成の失敗である。tthg的にはこれは故野村克也氏が本人や弟子の古田氏が打者としても歴史的に名を刻むレベルの選手だったのに「捕手は守れれば良い」とさかんに発言していた影響によると思っている。(ショートにも似たような傾向がある。)

少なくとも、レギュラークラスは学者の世界で言うところの「専門バカ」ではだめである。自分の武器である特徴以外の部分も最低限クリアできるよう育成して行くことが必要である。少なくとも将来のレギュラー候補と考える人材については早期に専門バカにならないような育成方針を明確にすることが必須である。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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