プロ野球の格差是正策の法的リスク

今晩は。たまには法学部出身らしい記事も書くtthgです。

昨日の記事で他のスポーツの事例などを示して、格差是正策について視野を広げるべきという意見を書いたが、tthgがそのような視点を持つべきと考える理由は単に視野を広げるというだけでなく、法的な安定性という意味もある。なぜかという現行のドラフトと選手の保有権を球団に認める制度は、個人の権利をかなり強く制限するために、どこかで法的な規制が行われるリスクがあるとtthgが考えているからだ。



例えば、欧州サッカーではEUの裁判所によって移籍ルールか根本的にひっくり返った事がある。いわゆるボスマン判決と言われるものだが、これはボスマンという一人の選手が移籍の自由を求めてEUの裁判所に訴えたところ、勝訴して保有権の概念がなくなり、EU圏内の国籍があれば外国人枠も撤廃という衝撃的な結果を生んだ。(ボスマン判決の詳細はこちらを参照されたい。)

その後ヨーロッパサッカーは契約が切れたら即FA,外国人枠はEU圏外も開放になったが今もサッカーの世界では支配的な地位を保っている。(持てるものと持たざる者の格差は広かったが。)これは経営側がよりエンタメ性に富む制度を検討した結果起きた変化ではなく、個人の権利を法律が保護した結果制度自体を根本的にひっくりした事を意味する。

同じ事は日本でも起こりうる。例えば、下記のように独禁法とドラフトの関係は微妙な位置付けである。

これが裁判で争われた場合ドラフトがなければ興業として成り立たないと立証する事が必要があると思われるが、「サッカーはドラフトなんてない」と反論されると随分と厳しいとtthgは考えている。

モチロンだから即現行制度を変えるべきという結論にはならないし、tthgはドラフトと保有権の制度は良くできているとも思う。しかし、ボスマン判決のような形である日突然、「不公正な制度はやめなさい」と裁判所や公正取引委員会から通達されて変えるのは副作用が大きい。現行制度を維持するにしても、より選手の自由度が高いラグジュアリータックスやサラリーキャップなどの制度とFAを組み合わせて戦略均衡ができないものかと検討すべきである。そういう背景的理由もあるので色んな制度を検討すべきとtthgは思うのである。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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プロ野球の格差是正策の法的リスク” に対して1件のコメントがあります。

  1. 越後の侍 より:

    高卒の私が言うのもなんですが、格差社会、もちろん野球も反対です

    ソフトバンクが育成で育てる、これについては文句なし。これからの理想であろう。しかし東北のチームのように金にものをいわせ、好き勝手やる、度を越えてます

     これに対するには。やはりドラフト譲渡とかしかないと思う。これなら文句は言いません。そしてFAへの参加条件、1億円越えプレーヤーに参加したチームは2年はFA参加禁止、そんなのもあっていいのでは

    1. tthg より:

      Aランクの参加は制限するとかは一つの選択肢と思います。

      補償も完璧な補償はないので色々議論すべきです。

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