有望な若手を中途半端に1軍へ上げるのは損な選択だ。~高津臣吾著「二軍監督の仕事」を読んで②~

スポンサーリンク



Pocket

今晩は。プチ読書家になっているtthgです。

昨日に続いて高津臣吾氏の著書「二軍監督の仕事」を読んだことからtthgが考えたことを書きたい。本書では高津氏のメジャーでの経験からアメリカでの若手の育成方法について面白い指摘がされいる。それは「メジャーには育成という概念はない」という事だ。「育成」はもっぱらマイナーリーグにおける仕事でメジャーはあくまで「完成品」である選手の活躍の場なのだそうだ。そして、高津氏はスワローズの主砲候補である去年のドラ1の村上選手をできるだけ2軍で試合経験を積ませて「完成品」として1軍に上げたいと考えているとのことである。(本書では35-39ページ辺りに記載されている。)

tthgはこの育成法は非常に理にかなっていると考える。1軍の試合で「育成」を行えば結果が犠牲になる。もちろん時にその犠牲が必要なこともある。しかし、プロである以上結果を犠牲にする期間はできるだけ少ない方がいい。そのためには最初から「1軍で経験を積ませる」と考えるより、2軍で「完成した」と判断してから1軍に送り込むほうが絶対的に1軍における「育成」期間は短くなる。もちろん1軍と2軍では対戦相手のレベルが違うわけだから、「慣れ」は必要になる。その意味ではいくら2軍で「完成」したと判断されても、1軍に上がって一定期間低調な成績を我慢しなければならないだろう。しかし、それでも2軍が「1軍で活躍する確信はない」のに育成目的で「1軍昇格」するよりはその期間は短いはずだ。

また、チームとして1軍には「完成品」を送り込むというコンセプトで動いていれば、1軍に送り込むレベルの測定の精度もだんだんと上がっていくはずだ。2軍が「完成品」として判断しても1軍で結果を出せなければ2軍の首脳陣に対しては「なにをやっているだ」という非難の声がむけられる。2軍側はその指摘に応えて次の「完成品」に判断を誤らないように過去の成功例と比較して何が違ったのか検証する。こうしたPDCAサイクルを回していれば10年もたてば「完成品」の基準をチームとして共有して判断ミスもすくなくなる。これは大きなメリットである。

スポンサーリンク

それからこの方法は、FA流出対策という意味でも大きなメリットがある。例えば、高卒で獲得して6年きっちり育成したとして24歳。そこからFA獲得まで8シーズン32歳まで目一杯レギュラーでやってもらえれば、例えFAされてもある意味で元が取れる。高卒3年目20歳から2年ぐらい1軍における育成期間を過ごされてレギュラーになるとFA取得時のの年齢は28歳。自球団でのレギュラー活躍期間が2年短くなるうえ、FA後他球団で活躍される期間が4年も長くなる。しかも28-32という油ののった年齢で他球団に貢献してしまう。明け29歳の時と33歳では衰えのリスクが違うので他球団も若干2の足を踏むし、本人だって衰えの不安からFAを自重するケースだってある。

そう考えた時、本来高卒時点ではドラフトにかからないが、6年かけて育成すれば一級品になり得る素材を指名して、契約時から「6年は2軍で育てる。その代わりどんなことがあっても6年はチャンスをやる」と伝えて育成するという戦略が有効ではないか。本来高卒では指名されないレベルの選手にとってはこの契約は魅力的だし、6年間結果を残せなくても見捨てずに育ててくれた球団への恩というのもFA残留の理由にもなる。

そうは言っても育成途上で化ける選手もたまにいるので、例外的に2軍でとんでもない成績を残すようになり本人がどうしても1軍に上がりたいと希望するならば、「1軍に上げる代わりに、1軍で一定の成績を残せない場合はその期間はFAを取得してもFA権の行使はしない」と契約を交わして1軍に上げるという制度でも設けておけばなお良い。

全部をこの手の育成枠の選手だけで構成するのがリスクというならばドラフトの上位3-4人は即戦力候補をとって5-8位は上記のような「長期育成枠」として契約するのもありだ。更には育成ドラフトでさらに選手を加えて3軍を作って試合出場機会を確保すれば「長期育成枠」の選手の育成も可能だし、育成枠の中から結果を出すものを「長期育成枠」の選手として契約を結ぶことも可能だ。本書の高津氏の「メジャーでは育成しない」という指摘はいろんな意味で可能性を含んでいる貴重な指摘である。

なお、本記事を読んで高津氏の著書に興味を持った方は下記からどうぞ。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

ライオンズに関する他の人気ブログはこちら。
にほんブログ村 野球ブログ 埼玉西武ライオンズへ
にほんブログ村
プロ野球に関する他の人気ブログはこちら
にほんブログ村 野球ブログ プロ野球へ
にほんブログ村
 

Twitter では更新情報のほかに、気になったニュースなどについてつぶやいてます。よろしければこちらもご愛顧ください。

この記事へのコメント

  1. 先日の意見、よく考えましたが私の意見の甘さですね。プロ意識があるなら、厳しくしてもと考えさせられました

    この意見は間違いなく賛成です。たとえドラフトで獲った選手を2年でつぶす某球団より、長い目で見て下で育て、じっくりと基礎をつけそして23.4才で上へいいですね、そうすると、人的な枠で引退枠を多くはできませんが、でも3年で結果特に高卒は無理だし、あっさり戦力外にするより、安定したころ上へ上げFA時点で、32.3理想だと思うし、バンクのようにいい育成システムができたらいいと思います

    別件ですがそう思うと思ったら思うと言ってください。ほかのブログで某球団の引き抜きこれは間違いなく注意していかないといけない、でも松井稼頭央が手引きしているなどと書いてあった。私の甘さでしょうか。でも手引きしているなんてことは絶対ないと思います

    1. 枠の問題は、育成の活用などを検討して新陳代謝は高めないとダメだと思います。

      松井氏の楽天との関わりのついては情報を持ち合わせておりません。申し訳ありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください