FAの権利行使を「正当な権利だから批判すべきでない」という意見は間違っている。

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おはようございます。野球がない毎日が少しだけ退屈なtthgです。

FAの権利行使についてネット上で「選手の権利だから批判すべきではない」という意見を時々見かける。先日カープの丸選手についてOBの北別府氏が自身のブログで半分怒りの投稿をした際にも、FA宣言自体は「権利ですから仕方ない」と随分と控えめにコメントしている。

別に事実としてFAが制度として与えられた権利行使でであることは否定すべきでない。しかし、「正当な権利行使」だからと言って過剰に正当化する必要はない。そもそも「法律上正しい」事と世間一般に道徳的に「正しい」とされることは随分と乖離がある。例えば不祥事を起こして退職に追い込まれる官僚や、議員が依願退職の形を取って辞める場合退職金が支払われる。雇用元が武士の情けで依願退職を許可すればその退職金受給は「正当な権利行使」だが徹底的にたたかれる。そもそも法律は万能ではなく、世間の批判の声が上がることによって、時に法律の方が改正されて法律が世間の常識に合うようになる。それが、民主主義国家における基本原理だ。

だから、FAの権利行使が正当な権利行使であることと、その権利行使が「妥当な」ものであるかは分けて考える必要がある。現行制度上正当な権利である以上、第三者が脅迫まがいの行為をするなどして、強制的に権利行使を妨げるなどのことをはあってはならない。しかし、その権利行使について、球団関係者やファンが「あまりに理不尽ではないか」と声を上げて議論がなされることは当然だ。そして、その議論によってFA制度自体に欠陥があるという結論に達するならば制度自体を変えていけばよいのである。

丸選手のような日本人長距離砲でチームの中心選手が抜けるとしたら痛い。しかも北別府氏が言っているようにカープが手塩にかけて育てた選手が抜けるのであれば尚更た。しかも報道によれば4年17億と言われる年俸を提示しても止められないとしたら、ファンや球団はたまったものではない。しかもカープは3年連続で優勝している強いチームであり「なにが不満なの?」と言いたくなる状況だ。この状況でファンが「なんでだよ。」と思い批判するのは当然だ。また、球団としてもファンを盛り上げて有料入場者を増やし90年代カープには考えられないような高給をオファーしても抜けられるようでは、戦力均衡という観点から、制度として「球団の自己責任」と言い切るのは果たして妥当なのかという疑問は尽きない。

一方、ライオンズの中村選手が「このチームで日本一になりたい」とFA行使の上残留するという「権利行使」は好意的に受け止められている。これはここ数年数字がおちていて今年も前半戦絶不調にもかかわらずチャンスを与えて続けた球団に対する態度として素晴らしい。(そのチャンスを後半戦の「全盛期を超える」活躍で応えて中村選手も素晴らしかった。)またこれこそ選手を手塩にかけて育てた球団と選手の間における正常な関係である。それをファンが賞賛し、球界がこうした選手と球団の関係をできるだけ保持するようにFA制度自体の見直しを考えていくのは当然だ。

「正当な権利行使」というだけで全ての批判がゆるされないという発想は一種の思考停止であり、それは長期的に考えると野球界にとってマイナスである。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事へのコメント

  1. 久しぶりのコメントになります。きつい意見になりますがよろしくお願いします。

    (中村剛也の宣言残留に)
    >またこれこそ選手を天塩にかけて育てた球団と選手の間における正常な関係である。それをファンが称賛し、球界がこうした選手と球団の関係をできるだけ保持できるようにFA制度の見直しを考えていくのは当然だ。

    要はブログ主さんは、「選手は、育ててもらった球団のために尽くすのが当然であり、FAなんかしないで、中村剛也のように宣言残留するのが正しい。球界は選手と球団がこういう関係になるようにFA制度を見直すべきだ」と言いたいのですね。

    >第三者が脅迫まがいの行為をするなどして、強制的に権利行使を妨げることはあってはならない。

    とありますが、ブログ主さんに強制力はありませんが(ありがたいことに)、おすすめ記事の「岸投手へ。あなたは何も感じないのか。」の内容は『FAをした選手、これからしようとする選手』への一種の脅迫まがいでしょう。

    この記事の要点を私なりにまとめると、

    (1)岸の好投で、ライオンズは負けてライオンズファンは悲しい思いをした。岸のFA移籍は残酷な決断であり、ファンに申し訳ないと思わないのか
    (2)岸の高給を支えて愛したライオンズファンと、自分の希望で入ったライオンズを捨てた
    (3)ファンがあって今の自分がいるということを良く考えて欲しいと思う
    (4)FAを考えている各球団の選手は、今日の残酷な光景を想像してから決断してほしい

    ということだと思います。これらの問題点を書くと、

    (1)について
    今の岸は『楽天の選手』です。岸には楽天を勝たせる責任があるので、こんなことを言われてもどうしようもない。ブログ主さんは岸に「わざと負けろ」と言うのでしょうか(この書き方はそういうことでしょう)。

    例えば(ほとんど有り得ない仮定なのは承知していますが)、ホークスの千賀がライオンズにFA移籍して、CSで「ホークスファンに申し訳ないから好投できない」と考えて試合に出たら、ライオンズファンのあなたは千賀を非難するでしょう(私でもその場合怒ります)。あなたが岸に言っているのはそういうことで、不当な要求です。『FAした投手が、CSで元いた球団に好投し、勝利した』ということを非難されたら『FAした投手』は全て非難対象でしょう。

    (2)について
    確かにライオンズファンは、「岸の高給を支えた」でしょうが、彼はライオンズにいる間に、チームに103勝をもたらし、素晴らしいピッチングでファンを魅了したはずで、ファンに「高給に対するお返し」は十分しています。

    『10年のキャリアはライオンズに十分貢献したとはいえない』『優勝に貢献していない』というブログ主さんは不満なのでしょうが、それなら「ライオンズに貢献している」現役選手は、中村剛也と栗山巧くらいでしょう(秋山ですら8年目だから貢献しているとはいえない)。そして『優勝に貢献していない選手は価値がない』なら、エンジェルスのマイク・トラウトは『価値のない選手』になりますし、ホークスの明石は『とても価値のある選手』になります。恐らく、ブログ主さんは「ライオンズに関係のないこと」には興味がないのでしょうけど。

    そして「自分が希望して入った球団を捨てた」ということが非難されるなら、この世に転職できる人間はほぼいなくなります。野球選手はともかく、現在仕事をしている人はかなりの割合で「自分の希望で入った人」ですが、希望した会社でも辞めている人はたくさんいる(私もその一人)ので、これも不当な要求でしょう。

    (3)について
    ファンがいるから選手がやっていける、というのは一面の真理でしょうが、それはあくまで一面だけです。

    お尋ねしますが『ライオンズという球団に入れば』『どんな選手でも』岸や浅村になるのでしょうか?選手の中でFA権を取得できるのはほんの一部で(それはブログ主さんの方が知っているでしょう)、いくらファンが応援して金を使っても、FA権を取れないで消えていく選手の方がずっと多いでしょう。

    だから「ライオンズに入って、ファンが応援すれば」誰もが素晴らしい選手になる訳ではなく、岸や浅村がFA権を取るほどの選手になったのは、彼らの『才能と努力の賜物』です。

    (4)について
    『FAした選手が、CSで元いた球団に好投し、勝利した』という当たり前のことを「残酷な光景」と言われても、この考えを理解してくれる野球選手など多分一人もいません。

    ということでブログ主さんは、岸やこれからFAをしようという選手に不当な要求をしているので、これを「第三者が脅迫まがいの行為をするなどして(強制的ではないが)、権利行使を妨げる」というのではないでしょうか。

    そして冒頭の「選手は、中村剛也のようにするのが望ましい」ということに戻りますが、ブログ主さんは、選手の感情や都合を全く考慮に入れないのですね。

    FAしようとする選手に「中村剛也を見習って宣言残留すべきだ。FAでの移籍はファンが悲しむのですべきではない」と言っても反発されるだけでしょう。何故なら選手のことは全く考えていないのですから。

    『ファンがいるから選手がいるのだ』というだけでなく『素晴らしい野球選手がいるからファンは野球を楽しめる』のであって、ブログ主さんのように、選手を無視した主張をしても(選手には)受け入れられないでしょうね。

    1. まずはコメントありがとうございます。

      >要はブログ主さんは、「選手は、育ててもらった球団のために尽くすのが当然であり、FAなんかしないで、中村剛也のように宣言残留するのが正しい。球界は選手と球団がこういう関係になるようにFA制度を見直すべきだ」と言いたいのですね。

      「育ててもらった球団に尽くすのが当然」とまでは考えておりません。「自分が育った球団のために尽くす選手であって欲ししい」と願っているだけです。過去にも同様のことを申し上げたと思いますが、松坂投手のように明らかに日本プロ野球の器に収まりきらない存在がメジャーに移籍したいという場合や、清原氏のように何回も優勝や日本一に貢献した選手がどうしても行きたい球団があるという場合は「仕方ないかな」と考えています。少なくとも全選手が絶対に中村選手や栗山選手になれとまで言っているわけではありません。

      >>第三者が脅迫まがいの行為をするなどして、強制的に権利行使を妨げることはあってはならない。
      とありますが、ブログ主さんに強制力はありませんが(ありがたいことに)、おすすめ記事の「岸投手へ。あなたは何も感じないのか。」の内容は『FAをした選手、これからしようとする選手』への一種の脅迫まがいでしょう。

      私の中では脅迫とは相手の意思に反して、暴力などを駆使して何かを強制しようとするすることと考えています。少なくとも法律上のの脅迫は「相手が意思に反して何かを強制されることがなければ成立しません。私のブログに強制力がないならば「脅迫」にはあたりません。私はFAに関する個人の見解を述べて(せめて)同一リーグの他球団に移籍するのはやめて欲しいと説得したにすぎません。ただし脅迫「まがい」と書いたうちの「まがい」の部分にこうした説得が含まれるとお考えでしたら、誤解をまねいたことはお詫びいたします。私としては「脅迫まがい」だとしても何らかの強制力が必要と考えています。

      >(1)について
      今の岸は『楽天の選手』です。岸には楽天を勝たせる責任があるので、こんなことを言われてもどうしようもない。ブログ主さんは岸に「わざと負けろ」と言うのでしょうか(この書き方はそういうことでしょう)。
      例えば(ほとんど有り得ない仮定なのは承知していますが)、ホークスの千賀がライオンズにFA移籍して、CSで「ホークスファンに申し訳ないから好投できない」と考えて試合に出たら、ライオンズファンのあなたは千賀を非難するでしょう(私でもその場合怒ります)。あなたが岸に言っているのはそういうことで、不当な要求です。『FAした投手が、CSで元いた球団に好投し、勝利した』ということを非難されたら『FAした投手』は全て非難対象でしょう。

      私は岸投手にわざと負けろと申し上げているわけではありません。古巣相手に重要な試合で登板して痛恨の負けを与える可能性のある立場にならないような選択をして欲しかったと言っているにすぎません。

      >(2)について
      確かにライオンズファンは、「岸の高給を支えた」でしょうが、彼はライオンズにいる間に、チームに103勝をもたらし、素晴らしいピッチングでファンを魅了したはずで、ファンに「高給に対するお返し」は十分しています。
      『10年のキャリアはライオンズに十分貢献したとはいえない』『優勝に貢献していない』というブログ主さんは不満なのでしょうが、それなら「ライオンズに貢献している」現役選手は、中村剛也と栗山巧くらいでしょう(秋山ですら8年目だから貢献しているとはいえない)。そして『優勝に貢献していない選手は価値がない』なら、エンジェルスのマイク・トラウトは『価値のない選手』になりますし、ホークスの明石は『とても価値のある選手』になります。恐らく、ブログ主さんは「ライオンズに関係のないこと」には興味がないのでしょうけど。

      まず前提として私は岸投手がライオンズに貢献したという点は否定しておりません。また優勝に貢献しなかったら、選手として価値が低いという価値観もありません。むしろ、これまでチームに貢献した選手であり価値が高い選手だから残って欲しいのです。優勝というい条件をつけているのは「その選手のFA移籍に賛同できるか否か」という判断においてです。清原氏のように何回も優勝に貢献した選手なら、プロ野球人生の最後を自分の好きな球団で終えたいという気持ちを汲んで残念ながら仕方がないと考えられるということです。

      >そして「自分が希望して入った球団を捨てた」ということが非難されるなら、この世に転職できる人間はほぼいなくなります。野球選手はともかく、現在仕事をしている人はかなりの割合で「自分の希望で入った人」ですが、希望した会社でも辞めている人はたくさんいる(私もその一人)ので、これも不当な要求でしょう。

      一般の転職だって10年育てて一人前になった営業マンがいきなりライバル会社に転職しますというケースなら同様の議論の余地はあると思います。ただ、岸投手の場合は野球という相手がいないと成立しない特殊な職業ゆえに「希望する球団にいけないこともある」という制約があるなか、例外として「希望する球団に行く権利」が付与された選手です。それを一般の転職と同列に考えるのは難しいです。

      >(3)について
      ファンがいるから選手がやっていける、というのは一面の真理でしょうが、それはあくまで一面だけです。
      お尋ねしますが『ライオンズという球団に入れば』『どんな選手でも』岸や浅村になるのでしょうか?選手の中でFA権を取得できるのはほんの一部で(それはブログ主さんの方が知っているでしょう)、いくらファンが応援して金を使っても、FA権を取れないで消えていく選手の方がずっと多いでしょう。

      どんな選手でもFAは取れない。これは事実です。しかし、ライオンズに入団して飯を食べている以上ファンが出したお金で生活しているのは事実であり、「努力と才能次第で巨額の金銭を手にする可能性」を与えられています。それは「ファンによって支えられている」ことを意味します。そこで成功したかしないかは「ファンが支えている」という事実をいささかもゆがめません。

      >だから「ライオンズに入って、ファンが応援すれば」誰もが素晴らしい選手になる訳ではなく、岸や浅村がFA権を取るほどの選手になったのは、彼らの『才能と努力の賜物』です。

      才能と努力によって得た権利だからなにをしてもいいとはならないと思います。その権利をどう使うかという点を議論しているのではないですか?私は少なくとも「同一リーグ他球団」でライオンズに常時敵として立ちはだかり恩をあだで返すような使い方をしてほしくないと主張しているのです。

      >(4)について
      『FAした選手が、CSで元いた球団に好投し、勝利した』という当たり前のことを「残酷な光景」と言われても、この考えを理解してくれる野球選手など多分一人もいません。

      下記の通り元カープの黒田投手は「他球団のユニフォームを着て、広島市民球場でカープのファン、カープの選手を相手にボールを投げるのが、自分の中で想像がつかなかった。僕をここまでの投手に育ててくれたのはカープ。そのチームを相手に、目一杯ボールを投げる自信は正直なかった」 と語っています。少なくとも一人は存在します。
      https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40928?page=5

      それからソフトバンク監督の工藤氏はダイエーからFAする際ファンとの関係を相当悩んだと言います。結果移籍しましたが、署名したファン全員に直筆サインの入った手紙を送ったと言います。それぐらい移籍して欲しくないというファンの気持ちを考えたということです。そしてソースは忘れましたが、書籍で「ダイエーファンの気持ちを考えてメジャー移籍を考えた」という記事を読んだことを覚えています。全く同じケースとは言いませんが、工藤氏も古巣との対戦に悩んだ一人だったはずです。
      https://matome.naver.jp/odai/2133380129029832401

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