野球界全体で知力を武器に戦える選手の育成を

今晩は。tthgです。今回はちょっと視点を変えて、野球と知力について

tthgは野球というスポーツは「知力」で能力を補える又は、能力を強化できる割合が大きいスポーツだと思う。投手の投げる球の種類は球種×コースで相当バリエーションがある。それのどれを選択し、どれを狙うのかという視点だけでも、相当な数の選択肢がある。守備位置だってバッテリー以外の7人は相当自由度が高い。交代枠だってDH以外に15もある。(ベンチ入りは25人)とにかく、グラウンドの上で、考慮すべき事項は無数にある。そして、その考え方次第で、個々の能力を上回る結果を出せる。そんなスポーツだからWBCで日本が強豪国の一部なのである。

だからこそ、野球選手にとって「知力」は非常に重要な「能力」である。「データ」を読み解く力、「データを記憶する」能力、「相手の作戦」を読む力、「選択する作戦と自分の能力が見合っているか」判断する力。どれも大事であり、こうした面が備わっている選手のほうが絶対にプロで成功しやすいし、長続きする。

しかし、残念なことにこうした「知力」のあるタイプを養成しようと発想が野球界全体で乏しい。プロの世界でも、球団として各選手の「知力」を強化して勝負しようという空気はない。例外は野村監督ぐらいなものだろう。とりあえず、ライオンズは監督の方針ではなく球団の方針として、今からでも組織的に「知力」を強化するべきではないだろうか。昔、元マリナーズの長谷川投手がメジャーに行く前に遠征の移動時間に英語の勉強をしていたらしいが、そうした時間やオフを使えば、強化の時間自体は捻出できるのだから。

とはいえ、プロに入ってから知力を強化しようというのは正直遅すぎる。一番大事なことは、基礎学力をつける、中学、高校時代にいかにそうした部分を吸収できるかである。そうした時に、野球強豪校の「野球だけしかしません」みたいな強化方法が一番の障害になる。朝から晩まで野球漬け、睡眠時間の確保がやっとという生活を強いられたら、基礎学力の強化などありえない。

ここは、一つ野球強豪校の中から、「ちゃんと勉強させる」という姿勢の学校を造るしかないと思う。なにも、東大に入るような学力が必要というわけではない。夜しっかり寝て授業時間にしっかり授業を聞くというだけで、全然ちがうはず。だいたい、授業中寝てしまうような睡眠時間では、身体の成長を阻害するからそもそも、技術的にも損をしている。夜しっかり寝て、日中しっかり起きて体を動かすというサイクルを造るだけでも野球に得なのだから、野球強豪校だってメリットがある。

授業だって、野球に絡めて教えたらいいと思う。例えば、物理の法則は、投球の回転数とか、バットとボールの当たる角度など、野球の技術に直結するような知識はたくさんある。そうした野球の事象を着地点に示して、そこにたどり着くために知識として色々な公式を教えていけば、自然と物理及び数学の基礎的な力がつく。その力は「論理的思考力」というプロとして最も大事な力となる。セイバーメトリクスは統計学であり、統計学には数学の素養が必要で、WARがどのような統計学的処理がされているかを説明すれば、その過程で数学の様々が素養が吸収される。野球関連の文献は山ほどあるのだから、それを題材に現代文の授業をすれば勝手に読書する力がつく。他の分野に興味がなくても野球を題材にしたら興味をもってやる生徒だっているはずだ。

とりあえず、ライオンズにOBがたくさんいる大阪桐蔭あたりに、知力のある野球選手の育成に取り組んでもらえるよう頼んでみてはどうだろうか。この取り組みが成功すれば、他の高校にも波及効果が望めるだろうし、こうした高校が、入口の時点で野球とともに一定の基礎学力を求めれば、中学時代からの「野球バカ」も減って野球界全体で、「知力」も武器として使えるプロの育成につながると思う。

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