黄金時代の思い出⑥~10.19~

先日、Twitterのフォロワーさんと88年89年のライオンズとバファローズ(オリックスに合併される前の近鉄バファローズ)の死闘について熱く語り合ったら、当時の映像を観たくなった。アマゾンを検索したところ「10.19 近鉄バファローズの悲劇 ~伝説の7時間33分~ [DVD]」というDVDを発見し衝動買いし、先ほどまで鑑賞。

やはり改めて振り返ってみると10.19は凄い試合だった。特に今回印象的だったのは「オリオンズ(今のマリーンズ)の健闘」である。万年Bクラスで10.19時も最下位。この試合に勝ってもバファローズの胴上げを観なくてすむというメリット以外何もない試合。その試合でなぜオリオンズの選手はあれ程頑張れたのか不思議でならない。

正直、私は10.19のダブルヘッダー開始前に半分諦めていた。当時のバファローズ勢いとオリオンズの実力を考えたら2連勝されると思っていた。勝てるとしたら小川投手の試合かなと思ってラジオ聞いていてら、小川投手先発で一戦目途中まで勝っている。「もしかしたら優勝か」と思っていたら終盤に逆転負け。小川投手も一戦目に投げてしまい、2試合目は園川投手と発表された時点で、幼稚園児の私は「もうだめだ」と完全に諦めた(園川投手すみません)。

その後のどうしたか正直記憶が定かではない。私の中でのライブ中継は一試合目の喪失感で終わっている。上記のDVDを観ながらかすかな記憶をたどると、おそらく7回表のバファローズの吹石選手と真喜志選手のホームランでラジオを切って寝ている。幼稚園児で夜更かしを止められていたのもあるが諦めの気持ちの方が強かったと思う。とにかく2試合目については絶望感しか記憶がない。

しかし、この後のオリオンズの頑張りが半端ない。岡部選手がホームランを打ち、西村選手が同点打を放つ。8回にブライアント選手のホームランでリードされるも、その裏高澤選手がバファローズのエース阿波野投手の渾身のスクリューをホームランにして同点。9回表の守備では水上選手のファインプレーで逆転を阻止。結局その頑張りがバファローズに「時間切れ引き分け」という残酷な結末をもたらし、ライオンズに優勝が転がり込む。私は次の日起きて、新聞でそれを知り驚いたのを覚えている。

一試合目ほぼ勝てそうなところから、逆転され、二試合目は7回に2点差をつけられる。オリオンズの状況を考えると普通はこの時点で気持ちが切れるものだ。そこから、2度追いつくなんてゲームはあり得ない。優勝が懸かっているバファローズがそれをやったなら分かる。しかし、オリオンズは勝っても、ほぼなにもない試合なのである。映像をみるとはっきり分かるが、オリオンズ本拠地なのにバファローズの応援の声のほうが大きい。ファンの後押しもない試合でなぜそこまで頑張れたのか。繰り返しになるが分からない。

しかし、そのオリオンズの頑張りが、球史に刻まれる名勝負を生んだのである。もちろん「胴上げを見たくない」という思いはあっただろう。しかし、それだけでは説明がつかない。特に2試合目の7回裏以降の粘りには「胴上げ云々を超えた何か」が確実に存在した。真に称えられるべきは、勝つことにほとんど意味のない試合で、実力以上のプレーをしたオリオンズの選手たちなのかもしれない。

なお、上記のDVDは2試合目を中心に構成されている。特典映像削って1試合目を入れてくれるとなおベストなのだが。(小川投手がその後にやらかしてしまったのが原因なのだろうか。)その点だけが不満である。

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